米Intelが,シングル・コア版としては最後となる64ビット・プロセサ「Intel Xeon」の新製品4モデルを米国時間9月26日に発表した。「64-bit Intel Xeon processor」の動作周波数3.80GHz版と2.80GHz版に加え,低電圧版の「64-bit Intel Xeon processor LV」(3GHz版)および「64-bit Intel Xeon processor MV」(3.20GHz版)を提供する。

 3.80GHz版と2.80GHz版のXeonは,2Mバイトのレベル2キャッシュを内蔵する。既存Xeonプロセサとのピン互換性があり,交換するだけでシステムをアップグレードできる。Demand Based Switchingによる省電力機能とHyper-Threading Technologyによるマルチスレッド処理機能を備え,DDR2-400メモリーおよびPCI Expressに対応する。

 低電圧版Xeonプロセサは動作に必要な消費電力が少なく,Xeon LV(3GHz版)は55W,Xeon MV(3.20GHz版)は90Wで動く。Intel社は「少ない設置スペースや省電力が優先されるラック・サーバーやブレード・サーバーに向けたプロセサ」とする。

 1000個ロット時の単価は以下の通り。

・64-bit Intel Xeon processor(3.80GHz版):851ドル
・64-bit Intel Xeon processor(2.80GHz版):198ドル
・64-bit Intel Xeon processor LV(3GHz版):519ドル
・64-bit Intel Xeon processor MV(3.20版GHz):487ドル

 今後同社は,企業向けプロセサのデュアル・コアおよびマルチ・コア化を進める。当初2006年リリース予定だったXeon製品系列初のデュアル・コア・プロセサ「Paxville」(開発コード名)は,数週間後に提供するとしている。

 そのほかの製品計画は以下の通り。

・2006年初頭にサーバー向け新プラットフォーム「Bensley」(開発コード名)を提供する。デュアル・コア版Xeonプロセサ「Dempsey」(同)とデュアル・コア・プロセサ用チップセット「Blackford」(同)で構成する

・同じく2006年初頭に,ワークステーション向け新プラットフォーム「Glidewell」(同)も利用可能とする予定。Dempseyとワークステーション用新チップセット「Greencreek」を組み合わせる

・2006年には,サーバー向け省電力デュアル・コア・プロセサ「Sossaman」(同)を計画している

・2006年後半に,65nmプロセス・ルールで製造するデュアル・コア版Xeon「Woodcrest」(同)を市場投入する。「省電力対応とした次世代マイクロ・アーキテクチャを採用することで,処理性能の劇的な向上と,消費電力の大幅な低減を実現する」(同社)

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