米国の非営利調査機関Pew Internet & American Life Project(PIP)は米国時間9月23日,米国家庭における広帯域接続の利用状況について調査した結果を発表した。それによると,過去数年,急伸していた広帯域接続はその普及ペースを落としつつあるという。

 2005年5月に広帯域接続を行っている家庭ユーザーの割合は53%で,2004年12月の50%から,ほぼ横ばいである。しかしその約1年前は,2003年11月の35%から2004年5月の42%へと大幅に拡大していた。

 PIPによると,ダイヤルアップ・ユーザーは,インターネットに慣じんで依存度が高まるにつれ広帯域接続に切り換える場合が多い。しかし,多くのヘビー・ユーザーはすでに広帯域接続に移行しており,2002年と比べダイヤルアップ・ユーザーの数自体が少ないという。

 PIPリサーチ担当ディレクタのJohn Horrigan氏は,「2002年と比べ,現在はより年配で,教育レベルや年収が低いユーザーがダイヤルアップ接続を行っており,インターネットの利用頻度もそれほど高くない」と説明する。「新しいネット・ユーザーが増えていないこともあり,広帯域接続利用者が以前のような勢いで急増することはないだろう」(同氏)

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