米Microsoftは,アクセス管理およびID認証ソフトウエア・ベンダーのカナダAlacrisを買収することを,米国時間9月19日に発表した。「Alacris社買収により,ユーザーがWindowsのスマート・カード機能をより簡単に利用できるようにする」(Microsoft社)としている。

 現在Windowsでは,「Active Directory」や「Microsoft Certificate Services」を通じて,デスクトップ・パソコン上でスマート・カードなどの認証技術を利用可能にしている。「しかし企業では,スマート・カード・ハードウエアの配備,デジタル認証の実装,認証取消の管理といった複雑な作業が発生する。スマート・カード導入を成功させるには,企業ごとのニーズに合わせてインフラを調整することが重要だ。Alacris社の製品はこうしたニーズに応え,高度なポリシーとワークフローを通じた管理の簡素化を実現する」(Microsoft社)

 Alacris社は,デジタル認証とスマート・カード・ライフサイクル管理の技術を手がけており,顧客のスマート・カード対応インフラ導入,管理,保守を支援する。IT部門は,スマート・カードの設定と新規導入を合理化できる。Web対応のポリシー・ベースのワークフローによって,エンド・ユーザーが一般的なタスクを自動管理することで,「Windowsベースのスマート・カード・インフラに要する全体的な費用の削減にもつながる」(Microsoft社)。

 なおMicrosoft社は,Alacris社技術のベータ版をいずれ公開する予定である。

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