米Verizon Wirelessは,米Dell,米Hewlett-Packardと提携し,同社の無線サービスに対応する技術を両社のノート・パソコンに組み込む計画を米国時間9月19日に発表した。同社は,これら企業との提携を通じて,同社の無線接続サービスの促進を狙う。

 Verizon社は,EV-DO(Evolution Data Optimized)技術をベースとするブロードバンド接続サービスを全米の主要60地域や空港などで提供している。同サービスのダウンロード速度は平均400K~700Kビット/秒。加入者は無線信号が届く範囲内において,いつでもインターネットに無線接続できる。

 Dell社との提携を通じて,Verizon社のサービス加入者は,無線PCカード「Verizon Wireless V620」をDell社から直接購入してEV-DOネットワークに接続できるようになった。同カードは,Dell社のWebサイトから249ドルで提供される。

 また,Dell社は,2006年第1四半期より同社のノート・パソコン「Latitude」シリーズにおいてEV-DO対応機能を組み込むオプションを提供する。同社は現在,無線インターネット接続機能として,Wi-Fi技術とダウンロード速度が100K~135Kビット/秒の米CingularのEDGE技術に対応できる選択肢を提供している。

 同日,HP社もVerizon社との提携を通じてEV-DO対応のノート・パソコンを提供することを発表している。この新しいノート・パソコンでは,米Qualcommのチップセットが使われ,2006年初旬にリリースが予定されている。両社は,EV-DOネットワークに対応するHP社の企業向けノート・パソコンとその他のモバイル機器のマーケティングも共同で行なう。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,Verizon社は中国のLenovoとも同様の契約を結んでいる。Lenovo社は,EV-DO技術を「Z」シリーズのノート・パソコンに組み込み,同年10月から提供するとしている。

 Verizon社が提供するBroadbandAccessサービスの料金は,2年契約で月額79.99ドル。時間無制限でインターネットに接続できる。同サービスに音声プランを加えた場合,料金は月額59.99ドルになる。同社は,EV-DOサービスの新規加入者の獲得を狙い,サービス価格を79.99ドルから60ドルに引き下げることを8月に発表していている。

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