米Microsoftが,Webおよび「Windows Vista」向けのグラフィックス・ツール製品系列「Microsoft Expression」を米国時間9月14日に発表した。ペイント/ドロー・ツール「Acrylic Graphic Designer」(開発コード名),ユーザー・インタフェース(UI)設計ツール「Sparkle Interactive Designer」(同),Webサイト向けレイアウト・ツール「Quartz Web Designer」(同)を用意する。
各ツールは,プレゼンテーション・サブシステム「Windows Presentation Foundation」(開発コード名は「Avalon」)と連携する。ベクトルおよびビットマップ形式のグラフィックス,3次元コンテンツ,リッチ・テキスト,マルチメディア,アニメーション,インタラクティブ機能などを組み合わせてデザインを作る。生成したデザインは,開発環境「Visual Studio」を使ってアプリケーションに組み込める。
Microsoft社は「デザイン・チームとアプリケーション開発グループのあいだにはコミュニケーションおよび技術的なギャップがあるため,デザイン・コンセプトを開発プロセスに反映させるのは難しい」と説明する。「Expressionは,(Avalonのファイル形式である)Extensible Application Markup Language(XAML),HTML,ASP.NETといった汎用のファイル形式や記述言語と,Visual Studioとの連携を通じてこのギャップを埋める。その結果,開発プロセスを大幅に簡略化するとともに,チームの創造性を最大限引き出す」(同社)
各ツールの概要は以下の通り。
・Acrylic Graphic Designer:
さまざまな動的視覚効果を提供し,ベクトル・ベースとピクセル・ベースの画像要素を組み合わせてグラフィックスを作成できる。成果物は,Microsoft Office,Microsoft Visual Studio,XAMLなどの形式で扱える
・Sparkle Interactive Designer:
ベクトル/ピクセル画像,3次元コンテンツ,ビデオ,テキスト,アニメーションなどを部品として使い,視覚効果の高いUIをデザインする。XAMLに対応しており,作成したUIはVisual Studioで利用できる
・Quartz Web Designer:
Webページ向け表示要素の位置やサイズを直接操作し,HTML,XHTML,CSSといった標準仕様を組み合わせて全体をレイアウトする。Visual Studioとの連携も可能
またMicrosoft社と米UGSは同日,UGS社の製品ライフサイクル管理(PLM)ソフトウエア製品をXAMLに対応させると発表した。これにより,UGS社の各種ツールで生成した3次元モデルがWindows Presentation Foundation上で利用できるようになる
◎関連記事
■米Microsoft,次期OS「Windows Vista」の「beta 1」版をテスターに配布
■米Microsoft,Longhorn向け主要技術「Indigo」「Avalon」のベータ1RCを公開
■米Microsoftの3XAMLを仏Dassault Systemesが3D XMLでサポート
■ビル・ゲイツ氏が電子メールで相互接続性に対するXMLの有効性を主張
■Windowsの次世代GUI「Avalon」のPreview版がダウンロード可能に
■GNOMEとMozilla,LonghornのXAML対抗を検討中
■UGS PLMソリューションズがCADの新製品を発表、PLMソリューションの拡販目指す
■米EDS,投資グループへのPLMソリューション事業売却を完了