米Amazon.comと米Coinstarは,オンラインの買い物で現金による支払いを可能にする手段を提供することで提携関係に入った。両社が米国時間9月13日に発表した。両社の提携により,消費者は,手数料無しで小銭や紙幣をAmazon社のギフト券に交換できるようになるという。

 Coinstar社は,米国の家庭において,使われないまま眠っている小銭はおよそ105億ドルに達すると推定している。これまで,この現金をオンラインで利用する容易な方法は無かった。

 両社の提携により,セルフサービス方式で現金をオンラインの買い物に利用できる手段が提供される。消費者は,この現金をAmazon.comで利用できるギフト券と交換することにより,書籍や同社のパートナ企業が同サイトで提供する衣類,音楽製品などを購入することができる。Coinstar社は,同サービスについて,「現金での買い物を好む消費者やクレジット・カードを所有していない消費者も容易にオンラインで買い物ができるようになる」と説明している。

 この新しいプログラム「Coin to Card」では,消費者が地元のスーパーやドラッグ・ストアなどに設置されたCoinstar社の両替機に小銭を入れると,コードが印刷されたレシートが出てくる。このコードは,Amazon.comでの買い物に直ちに利用できる。会計の際に印刷されたコードを入力することにより,支払いの一部に充てることができる。ギフト券の金額が支払額を上回った場合には,差額を自分の口座に残し,後の買い物で利用できる。通常,Coinstar社はマシンによる両替サービスに手数料を請求しているが,Amazonのギフト券に交換する場合には無料となる。

 Coinstar社のCoin to Cardプログラムは,同社が全米の4万4000カ所に設置されたマシンのおよそ3500カ所で利用できる。年内にその数を5000カ所に拡大する予定だという。「Amazon社のギフト券は,実際に印刷されたものではないため,迅速にマシンをこのプログラムに対応させることができる」,とCoinstar社は説明している。

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