米Adobe Systemsは米国時間9月12日,企業向けオーサリング/パブリッシング・ソフトウエアの最新版「Adobe FrameMaker 7.2」を発表した。非構造型文書から構造型文書への変換機能を強化することで,印刷,PDFファイル,HTMLやXMLなど,各種チャネルに向けたコンテンツの配信を容易に行えるようにしたという。

 FrameMaker 7.2は,文字や段落のスタイルを保持できる変換ツールを装備するほか,XMLワークフローを導入する際の手順について詳述したガイド「Unstructured to Structured Migration Guide」を用意する。「企業は最小限の労力でコンテンツを流用できるため,作業時間とコストを削減できる」(同社)

 ドキュメントの作成を効率化できるように,構造化されたテンプレートを用意する。例えば,XMLベースの技術文書向け作成/管理仕様「Darwin Information Typing Architecture(DITA)」に対応したテンプレートなどがある。

 また,文書型定義「Document Type Definitions(DTDs)」の他にも,XML(Extensible Markup Language)のスキーマ仕様である「XML Schema」と,XML文書の構造変換を行う「XSL Transformations」へのサポートも提供する。

 Adobe社Corporate Development担当副社長のJohn Brennan氏は,「最新版では,電気通信,航空宇宙,半導体,ITなど,先進的な分野の企業がXMLの機能を最大限に活用し,印刷,Web,PDF向けに魅力的なコンテンツを作成できるようにした」と説明する。

 対応OSはWindowsのほかSolaris。同社のオンライン・ストアなどを通じて,英語,フランス語,ドイツ語版の提供を9月中に開始する。予想小売価格は,Windows用の製品版が799ドル,アップグレード版が199ドル。Solaris用の製品版が1329ドル,アップグレード版が279ドル。また「FrameMaker Server」の予想小売価格は7999ドル。

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