米eBayがルクセンブルグのSkype Technologiesを買収する。両社は合意に達したことを,英国時間9月12日に発表した。eBay社は現金と株式で約26億ドル(約21億ユーロ)を支払い,業績に応じて金額を上乗せする。「世界中の売り手および買い手にとって,他に並ぶもののない電子商取引とコミュニケーションのエンジンを作り上げる」(両社)
eBay社は現金13億ドルと3240万株(約13億ドル相当)を支払うほか,財務上の目標を達成した場合,2008年または2009年に最大約15億ドル(約12億ユーロ)を現金と株式で支払う。
eBay社社長兼CEOのMeg Whitman氏は「通信は,電子商取引とコミュニティの中核だ。電子商取引大手のeBay社および傘下の米PayPalと,VoIPを組み合わせることで,オンライン・ビジネス向けの非常にパワフルな環境が生まれる」と述べた。
Skype Technologies社は,225カ国でVoIPサービスを展開しており,すでに5400万人が加入している。北米に限ってみた場合,同社は最も多くのユーザー数をかかえ,最も多くの通話時間を提供しているVoIPプロバイダだという。
オンライン・ショッピングでは,決済や出荷などにおいて,通信が重要な役割を果たす。eBay社は,自社のマーケットプレイスにSkype Technologies社の技術を組み込むことで,買い手と売り手間の効率的な通信手段を提供する。特に,中古車,業務および工業向け機器,高額収集品といった分野の取引増加を期待している。
また,SkypeサービスのアカウントとPayPalサービスを連動させるほか,中国,インド,ロシアなどの新興市場への地歩拡大を図る。
なお,Skype Technologies社CEOであり共同設立者のNiklas Zennstrom氏と,同戦略担当上級副社長および共同設立者のJanus Friis氏は,現職を継続する。
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