米Adobe Systemsは,ページ記述言語(PDL)の新版「Adobe PostScript 3 version 3017」のOEM向け提供を開始した。Adobe社が米国時間9月8日に明らかにしたもの。PostScriptとしては初めて,商業印刷向けの「Host Edition」とセキュリティ機能を強化した組み込み向けの「Embedded Edition」という派生エディション2種類を用意する。

 PostScriptは文字や図形,画像,色など数式で記述し,印刷物を生成するための言語仕様およびレンダリング・システム。オフィス向けのプリンタや,ハイエンドのデジタル商業プリンタなどが採用している。新版は,文書フォーマット「Adobe PDF 1.6」のデータを直接処理して印刷できる。

 Host Editionは商業印刷向けで,複数のカラー・チャネルや,PDFファイルに組み込まれたOpenTypeの利用が可能となった。また透過処理の対応を強化し,複雑な文書の処理を高速化した。そのほかには,16ビット・カラー画像,2Gバイト以上のファイル,200インチ(約5m)以上の用紙が扱えるようになり,3次元画像の2次元PDFレンダリング印刷も行える。対応OSは,Microsoft Windows,Mac OS X,Linux,IBM AIX,Sun Solaris。

 Embedded Editionは,AES暗号化や電子署名印刷機能など,オフィスのワークグループ用プリンタやマルチ・ファンクション機(MFP)向けにセキュリティを強化した。プログラムのサイズを小さくしたので,さまざまな機器に組み込みやすくなったという。対応OSはMontaVista LinuxとVxWorks。

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