米Borland Softwareは米国時間9月6日に,Javaアプリケーション統合開発環境(IDE)の新版「JBuilder 2006」を発表した。新たなピア・ツー・ピア(PtoP)コラボレーション機能などを追加しており,「地理的に離れた開発メンバー同士でも,より効率的にリアルタイムで共同作業が行える」(同社)。

 Borland社製品部門上級バイス・プレジデントのBoz Elloy氏は,「ソフトウエア開発はいっそう複雑化している。IT部門はより少ないリソースで,より多くの成果をあげなければならない。その上,プラットフォームや規格の種類は増え,開発チームはさまざまな地域に散らばっている」と説明する。「JBuilder 2006は,遠く離れた開発メンバーが,まるで同じ部屋にいるように協力し合って,ソフトウエアを構築できるようにする」(同氏)

 新たなPtoPコラボレーション機能により,開発者は,コード編集,ビジュアル・デザイン,デバッギンツなどの共同作業をリアルタイムで行うことが可能。ローカルで実行した変更を,リモートのプロジェクトに自動的に反映させたり,変更通知を自動送信したりする管理機能を備える。

 J2EE 1.4をサポートするほか,米Fortify Softwareのセキュリティ・コード分析技術が含まれる。JBuilder 2006は9月半ばに顧客向けに出荷を開始する。

 またBorland社は,アプリケーション性能管理ツールキット「Optimizeit」の新版も発表した。Optimizeitはすでに利用可能。

 なお同社は,JBuilder 2006の各種機能を,アプリケーション・ライフサイクル管理(ALM)向けソフトウエア配信プラットフォーム「Core::Developer」に組み込む計画である。また,将来の開発者向け商用製品では,Eclipseを基盤とする。最初のEclipseベース製品となる統合開発環境「Peloton」は,2006年前半にリリースする予定。

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