米IBMは米国時間9月1日に,オランダの大手銀行ABN AMROとインフラ供給に関する提携を結んだことを明らかにした。期間は5年で,総額は約15億ユーロ(約18億ドル)にのぼる。IBM社のデータ・センター向けオートメーション技術「Universal Management Infrastructure」の導入では「最大規模となる」(同社)。

 ABN AMRO社は,世界中の拠点にIBM社のオンデマンドITインフラを実装し,ITコストを削減しつつ,より迅速に新たなサービスを展開できるようにする。

 IBM社は,ABN AMRO社の戦略的事業部門向けの中核データ・センターを管理する。これらのデータ・センターでは,IBM社製メインフレーム,UNIXサーバー,ストレージ装置などのほか,米Hewlett-Packard(HP)や米Sun Microsystems,米EMCの製品も使用している。ABN AMRO社は,シカゴ,オランダのアムステルダム,ブラジルのサンパウロにメインのデータ・センターを所有する。

 また,提携の一環として,IBM社は開発センター「Innovation Center」を開設し,新たな金融商品に対応した高度ITサービスの開発に取り組む。

 米メディアの報道(InfoWorld)によると,ABN AMRO社は,IBM社のほか,米Accenture,インドのInfosys Technologies,インドのTata Consultancy Services,インドのPatni Computer Systemsともアプリケーション開発に関する5年間のアウトソーシング契約を結んだ。5社の契約総額は18億ユーロ(約22億ドル)という。なお,ABN AMRO社は,約1500人の人員削減を計画しているという。

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みなぎる中印ITパワー

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