フィンランドのNokiaは,同社の世界における新しい展開を現地時間8月29日に発表した。同社は,中国に新しいモバイル・インフラの研究開発センターを設立した。また,Push-To-Talk Over Cellular(PoC)サービスの提供でオーストラリアの通信事業者と契約したことも同日明らかにした。

 同社の新しい研究開発センターは,中国の成都に設立され,28日に開設記念式典が行なわれた。同センターでは,中国と世界市場の両方に向けて第3世代(3G)とIP Multimedia Subsystem(IMS)をベースとするモバイル・アプリケーションの開発が行なわれる予定。Nokia社の中国における6番目の研究開発部門であり,2番目の3G研究開発センターとなる。

 同日,同社はPoCネットワーク・ソリューションに関してオーストリアTelekom Austriaの子会社であるmobilkom austria社と提携を結んだ。同社は,PoCサービスをmobilkom austriaの加入者向けに提供する。

 同社は,GSM携帯電話向けPoCサービスで38社と提携している。また,28カ国の35社の顧客に対して管理サービスを提供しており,世界で20社を超える通信事業者に運営サービスを提供している。同社のネットワーク/サービス管理システム「Nokia NetAct」は,世界で300社を超える顧客が利用している。

 また,同社はトルコの通信事業者であるTelsimとの問題も和解に達したことも同日明らかにしている。Telsim社と現在同社の資産を管理している預金保険基金(TMSF)との調整により,Nokia社は,Telsim社の資産売却後に和解金を受け取ることになった。

 Nokia社は,2000年に貸与したネットワーク機器関連設備に対する支払い義務をTelsim社が怠っていたため申し立てを行なった。2004年2月にチューリッヒの仲裁裁判所が全面的にNokia社の要求を認めていた。

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