米連邦捜査局(FBI)は,モロッコおよびトルコ当局と協力して,「Mytob」と「Zotob」ワームを作成および配布したとみられる容疑者2人を逮捕したことを,米国時間8月26日に発表した。Zotobは,Windowsのセキュリティ・ホールを突いて感染を広げるワームで,米国大手企業を含む多数の企業のコンピュータ・ネットワークを停止に追い込んだ。「ワームがばらまかれてから2週間以内の検挙」(FBI)となる。

 容疑者は,「Diabl0」の異名を持つ18歳のモロッコ人と,「Coder」の呼び名を使う21歳のトルコ人で,8月25日にそれぞれの国で逮捕された。米メディアの報道(internetnews)によると,FBIは2人が共同でワームを作成したとみているが,実際に面識があるかどうかは不明という。

 また,捜査に協力した米Microsoftがコメントを同日発表した。同社上級副社長兼法務顧問のBrad Smith氏は「当社は世界の司法当局と協力関係にあり,ZotobやMytobといった悪質なプログラムが出現した際には,直ちに情報を当局に提供して犯人摘発を支援し,顧客の保護に努めている」と述べた。

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[発表資料(FBIのプレス・リリース)]
[発表資料(Microsoft社のプレス・リリース)]