調査/コンサルティング会社の米Customer Respect Groupは,北米の大手企業によるオンラインのプライバシに関して調査した結果を米国時間8月22日に発表した。その結果,対象となった464社の企業Webサイトで,プライバシ保護が容認可能なレベルと評価されたのは170社。「優れている」と評価されたのは17%だけだった。

 調査は2005年1~6月に実施されたもの。提供された個人情報の利用方法,ポリシーの明瞭さ,オプトイン対オプトアウトのポリシー,顧客による情報コントロールなど21の項目が評価された。

 対象企業のサイトを評価した結果,旅行/航空業界のパフォーマンスがもっとも優れており,10点満点で平均スコア7.4を獲得した。通信業界がこれに続いた。スコアがもっとも低かったのは製薬とヘルスケア業界で平均スコアは5.4だった。一般的に,それぞれの業界において,小規模の会社よりも大規模な会社のパフォーマンス方が優れていた。

■企業WWWサイトにおいてプライバシ関連の評価が高かった企業トップ10
・Intel
・Expedia
・E-Loan
・Verizon Wireless
・Estee Lauder
・Marriott International
・Con-Way Transportation Services
・IBM
・Medco Health Solutions
・Orbitz

 同社によれば,1年前と較べると,オンラインのプライバシ・ポリシーとセキュアなオンライン・フォームを備える企業が増えている。一方で,クッキーの利用は2倍の20%に増加した。改善の余地はあるものの,スコアは良くなっているという。

 同社Customer Respect Group社長のTerry Golesworthy氏は「プライバシ問題に対する懸念は,オンライン・ユーザーが1歩先のレベルでWebを導入する上で最大の障害となっている。現状と動向を確認することは,期待される基準に達していない企業に圧力がかかるため非常に重要である。このレポートは,プライバシへの懸念が企業の評判とブランドに影響を与える前に,改善策を講じるために役立つだろう」とコメントしている。

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