米Webroot Softwareがスパイウエアに関して調査した結果を米国時間8月23日に発表した。それによれば,スパイウエアの手口が高度化していることが明らかになった。スパイウエアは,検出や除去機能を回避してパソコンにもぐり込み,収集した情報をサードパーティに送るようになっている。

 報告によれば,企業のパソコン上にインストールされたスパイウエアの数は急増しており,過去3ヶ月だけで19%増えている。一般ユーザーと企業のパソコンの80%以上がスパイウエアに感染しており,企業のパソコン上で平均27個,一般ユーザーのパソコン上で平均25.4個のスパイウエアが見つかっている。

 調査によれば,スパイウエア作成者は積極的に配布チャネルを増やしており,新しい市場にも進出している。スパイウエアを配布しているWebサイトの数は2005年初めから4倍に増え,ユニークURL数で30万件に達している。また,同社のスパイウエア定義データベースに記録されたスパイウエアの数は同期間で2倍に増え,10万を超えたという。

 国別にみると,スパイウエア攻撃の大多数は米国から行われていることがわ明らかになった。ポーランドとオランダがこれに続いている。

 同社CEOのC. David Moll氏は,「スパイウエアには,しばしば見逃しがちな基本的な原則がある。それは他の企業と同じビジネスだという点である。ウイルスの作者は,自尊心や有名になりたいという願望を動機にしているが,スパイウエアの作者は利益を動機としている」と説明している。

 「あらゆる企業と同じように,スパイウエアの開発者は,配信チャネルの拡大,新製品の利用,新しい市場への参入を通じて利益率を高めることに力を入れている」(同氏)

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