富士キメラ総研は2011年7月14日、法人向け主要ソフトウエア65品目の国内市場予測を発表した。2011年度の市場規模は景気低迷によるIT投資抑制で、前年度比4.7%増の1兆2445億1000万円と予想。年平均成長率が過去6年間の平均を下回る見通しだ。

 ソフト市場は震災復興に伴う新規需要に結びつくことはなく、むしろ景気低迷でIT投資を抑制する動きが強まるという。2010年度から2015年度の5年間では、SaaSなどクラウドサービスの成長がけん引して、年平均5.8%の伸びになると予測する。

 クラウド市場は、2011年度の1469億1000万円から2015年度には2894億円に拡大する見込み。クラウド比率も2015年度には2010年度の2倍近い18.4%まで高まるとみている。既存パッケージソフトからの移行が進み、パッケージソフトとクラウドの“ハイブリッド”利用が中心になっていくという。

 品目別で注目される分野は、震災の被災体験から関心が高まっている「バックアップ・リカバリーツール(ストレージ管理ツール)」や「クラウド管理ツール」など。

 バックアップ・リカバリーツール市場は、2011年度は前年度比14.9%増の314億7000万円となる見込みだが、さらに拡大が続き、2015年度で621億円と予想している。クラウド管理ツール市場は、2011年度の35億円から2015年度には105億円へ、SCP(サプライチェーンプランニング)市場は、2011年度の99億5000万円から2015年度には143億円まで成長するとみている。