米Gartnerは米国時間2011年6月30日、世界のIT支出に関する調査結果を発表し、今後の見通しを上方修正した。2011年の世界IT支出は3兆6720億ドルに達する見込みだとして、成長率を従来予測の前年比5.6%増から同7.1%増に引き上げた。

 東日本大震災直後は部品供給不足の懸念が広まったが、全体的なIT支出はあまり大きな打撃を受けていないと同社は分析する。「日本のIT支出は自国通貨建てで減少するが、2011年後半に成長の兆しを見せ、2012年も上向き傾向が続く」と、同社調査担当バイスプレジデントのRichard Gordon氏は予測している。

 2011年の世界IT支出を分野別で見ると、電気通信関連は2兆1400億ドルで前年比6.9%増加する見通し。ITサービスは同6.6%増の8460億ドル、企業向けソフトウエアは同9.5%増の2680億ドルに達する。コンピューティングおよびハードウエア分野は最も急伸し、同11.7%増の4190億ドルに拡大する。

 注目を集めるパブリッククラウドサービスへの支出については、2010年の740億ドルから2011年には890億ドルへと拡大し、IT支出全体より4倍速く成長する。さらに2015年には1770億ドルに達する見込みだ。しかし、2010年のIT支出全体のうちパブリッククラウドサービスが占める割合は約2%とごくわずかで、2015年もその割合は5%未満にとどまる。

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