図1●ICT総研による東日本エリア(30地点)におけるスマートフォン通信速度の実測データ
図1●ICT総研による東日本エリア(30地点)におけるスマートフォン通信速度の実測データ
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図2●東日本エリアにおけるデータ通信カード通信速度の実測データ
図2●東日本エリアにおけるデータ通信カード通信速度の実測データ
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 調査会社のICT総研は2011年6月4日、東日本エリアにおけるスマートフォンおよびデータ通信カードの電波状況実測調査の結果を公表した。調査結果によると、スマートフォン利用時の通信速度は、東日本エリア全体の平均速度ではKDDI(au)が最速で、NTTドコモがこれに続くという結果などが得られたという(図1)。

 東日本エリア内の30カ所の鉄道駅(首都圏が東京、川崎、横浜、大宮、宇都宮など12カ所、東北地方が仙台、盛岡、青森、秋田など18カ所)を測定エリアとして調査を実施した。それぞれの鉄道駅において、(1)駅ホーム、(2)改札内、(3)改札外---の3地点でそれぞれ5回ずつ、合計15回にわたって速度を計測し、平均値を算出。異常値と思われる数値が出た場合は除外して測定し直している。速度計測には、Webサイトアクセス時の画像読み込み速度を利用した。

 調査の結果、まずスマートフォンではKDDIが東日本エリア全体の平均で最速(下り0.88Mビット/秒、上り0.70Mビット/秒)となり、NTTドコモがこれに続いている(下り0.79Mビット/秒、上り0.44Mビット/秒)。

 第3位となったソフトバンクモバイルについては、Android端末とiPhoneに分けて調査しているが、Android端末では下りが0.57Mビット/秒で上りが0.36Mビット/秒、iPhoneでは下りが0.51Mビット/秒で上りが0.31Mビット/秒となり、特に下りの通信速度が上位2社と比べて遅めという結果が得られている。

 データ通信カードの調査では、イー・モバイルとUQコミュニケーションズの2社の端末で平均速度などを計測し、比較している(図2)。東日本エリア全体の平均では、どちらも平均して1Mビット/秒以上の速度が出ていたが、下りはイー・モバイルが平均1.33Mビット/秒でUQコミュニケーションズ(平均1.17Mビット/秒)より若干速く、上りはイー・モバイルが平均1.13Mビット/秒なのに対してUQコミュニケーションズが平均1.81Mビット/秒と特に上りで大きな差が付くという結果になった。

 ただし、ICT総研によれば、UQコミュニケーションズは東北地方の7エリアで圏外表示のため測定できなかったとしている(上記データは7エリアを除いた合計23エリアでの計測値)。一方、イー・モバイルに関しては30エリアすべてで電波を測定できたといい、契約を検討する際には、こうした情報も考慮する必要がありそうだ。