米iSuppliは現地時間2011年5月24日、世界パソコン市場に関する調査結果を発表した。同社によると、米Appleの「iPad」をはじめとするタブレット端末に関心が集まり、パソコンに対する消費者需要の軟化を招いているという。

 2011年第1四半期の世界パソコン出荷台数は8130万台で前年同期と比べ0.3%減少した。企業向けパソコンの需要は好調だったが、消費者向けの低迷を補うほどではなかった。

 上位ベンダー5社のうち3社は、出荷台数が前年実績を下回った。タブレット端末の勢いに押され、特に大きな打撃を受けたのはネットブックに主軸を置く3位の台湾Acerだった。Acerの出荷台数は920万台で、前年同期と比べ20.4%減少した(シェアは11.4%)。

 ベンダー首位は米Hewlett-Packard(HP)が維持し、市場シェア18.9%を占めた。しかし消費者市場の厳しい状況を背景に、出荷台数は前年同期比2.1%減少した。2位の米Dellは市場シェアが12.9%で、出荷台数は前年同期比1.8%減少した。一方、4位の中国Lenovo Group(聯想集団)は出荷台数が同15.4%成長(シェアは10.0%)、5位の東芝は同2.6%増加した(シェアは5.8%)。

 第1四半期に出荷台数が微減したことは、iSuppliにとっていくぶん予想外だった。2010年第4四半期の世界パソコン市場が、四半期記録だった2009年同期の8890万台をさらに上回る勢いだったためだ。しかしiSuppliは、市場が今年後半に成長軌道に回復すると見ており、2011年全体のパソコン出荷台数を前年比8%増の3億7300万台と予測している。なお、2010年は同14%増の3億4500万台だった。

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