米IDCが米国時間2011年5月5日までにまとめた最新の市場調査によると、同年第1四半期の世界スマートフォン出荷台数は9960万台となり、前年同期の5540万台から79.7%増加した。メーカー各社が最新モデルを次々リリースしたこと、旧モデルの価格が下落して広く市場に出回ったこと、エンドユーザーの需要が引き続き旺盛なことなどが要因と分析している。

 第1四半期のメーカー別出荷台数シェアを見ると、フィンランドNokiaが24.3%で首位を維持したが、前年同期と比べて14.5ポイント縮小した。Nokiaは出荷台数の伸びも12.6%にとどまっている。一方、2位の米Appleのシェアは同3ポイント増の18.7%となり、出荷台数は同114.4%増と大幅な伸び。Nokiaとの出荷台数の差は550万台に縮まった。

 3位のカナダResearch In Motion(RIM)のシェアは同5.1ポイント減の14.0%となったものの、出荷台数は同31.1%増え、堅調に推移した。Android搭載端末を手がける韓国Samsungと台湾HTCは4位と5位につけ、シェアはそれぞれ10.8%と8.9%を獲得した。出荷台数もSamsungが350.0%増、HTCが229.6%増と大きく伸びている。

 IDCによると、世界のスマートフォン市場は高成長の条件が整いつつある。(1)メーカー各社が自社の成長戦略としてスマートフォンをこれまで以上に重視していること、(2)上位機をはじめ、中低位機の製品種も増え、選択の幅が広がってきたこと、(3)上位機を含め全般的に価格競争力が高まっていることなどが要因という。消費者が携帯電話に音声通信以外の機能を求め、スマートフォンを理想的なソリューションととらえる考えが定着しており、こうしたことを背景に世界のスマートフォン市場は今年も引き続き成長を続けるとIDCは予測している。

■2011年第1四半期における世界スマートフォン出荷台数(単位:100万台)
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メーカー        2011年Q1              2010年Q1          増加率
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           出荷台数   シェア      出荷台数   シェア
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Nokia        24.2      24.3%       21.5      38.8%       12.6%
Apple        18.7      18.7%        8.7      15.7%      114.4%
RIM          13.9      14.0%       10.6      19.1%       31.1%
Samsung      10.8      10.8%        2.4       4.3%      350.0%
HTC           8.9       8.9%        2.7       4.9%      229.6%
その他       23.2      23.2%        9.5      17.1%      143.7%
合計         99.6     100.0%       55.4     100.0%       79.7%
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出典:IDC Worldwide Quarterly Mobile Phone Tracker 

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