米IDCが米国時間2011年3月29日に公表した世界スマートフォン市場予測によると、2011年の出荷台数は、前年の3億340万台から4億5000万台と、49.2%増加する見込み。消費者や企業がより高機能の端末を求めてスマートフォンを導入することから、携帯電話市場全体の4倍の速度で成長が進むと同社は見ている。
世界のスマートフォン出荷台数は2010年に驚異的な伸びを示したが、これは2009年に消費者の買い控えがあったことの反動。今年は2010年ほどの伸びは見込めないが、依然として目覚ましい成長が続くとしている。
「過去2年間、スマートフォンのメーカーは旺盛な消費者需要に支えられ、新製品を続々市場投入してきた。結果としてシェア争いが発展し、スマートフォンOSを巡る競争が激化した」(IDC)
2011年は米Googleが開発を主導する「Android」のシェアが年末までに39.5%となり、前年の2位から首位に浮上するとIDCは見ている。これはメーカー各社がAndroidを製品戦略の基盤ととらえているためで、2011年はその傾向が本格化するという。
Androidに次いで出荷台数が多いのが、フィンランドNokiaが採用する「Symbian」で、そのシェアは20.9%。この後、米Appleの「iOS」(15.7%)、カナダResearch In Motion(RIM)の「BlackBerry」(14.9%)、米Microsoftの「Windows Phone 7/Windows Mobile」(5.5%)が続くとIDCは予測している。
NokiaがSymbianからWindows Phone 7への移行を明らかにしており、このことは今後のスマートフォン市場に重要な影響をもたらすとIDCは述べている。NokiaとMicrosoftの新たな提携によって、両社のハードウエア、ソフトウエアには差異化がもたらされ、2015年までにWindows PhoneはAndroidに次ぐ第2位のOSになるとIDCは予測する(関連記事:[MWC2011]「Microsoftとの提携でGoogle,Appleと戦う」-NokiaのCEOが強調)。
■表1 世界スマートフォンのOS別市場シェア予測 OS 2011年 2015年 2011-2015 市場シェア 市場シェア 成長率 Android 39.5% 45.4% 23.8% BlackBerry 14.9% 13.7% 17.1% iOS 15.7% 15.3% 18.8% Symbian 20.9% 0.2% -65.0% Windows Phone 7 5.5% 20.9% 67.1% Windows Mobile その他 3.5% 4.6% 28.0% 合計 100.0% 100.0% 19.6% 出典:IDC Worldwide Quarterly Mobile Phone Tracker
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