米IDCは米国時間2011年3月10日、2010年第4四半期におけるタブレット端末の世界出荷台数が前期の450万台から2倍以上の1010万台になったと発表した。このうちAppleの「iPad」のシェアは73%、韓国Samsung Electronicsの「GALAXY Tab」は約17%だった。GALAXY Tabが有力な競合製品になったことで、iPadのシェアは前期の93%から低下したが、それでもAppleの地位は盤石で、同社の市場支配はしばらく続くとIDCは見ている。

 IDCによると、Appleは初代機の成功と、まもなく発売する後継機「iPad 2」でその地位を強固なものにする。このことから、2011年における同社のシェアは70~80%で推移する。これに対し、昨年第4四半期に発売されたGALAXY Tabの7型モデルは価格競争力を欠く。Samsungは2011年にAndroid 3.0搭載の10.1型モデルを投入する計画だが、他社からも競合製品が続々と登場してくるため、同社はシェア維持で苦戦を強いられるという。

 このほか米Motorola Mobilityの「XOOM」が機能面でiPadの競合製品になるが、やや高めの価格設定がシェア拡大を妨げる要因になる。これ以外のメーカーも2011年後半に新製品を投入する計画で、XOOM同様に機能面で高い競争力を持つが、シェア拡大が期待できるのはマーケティング力を持ち、販路も定着している大手メーカーの一部モデルに限られるとIDCは見ている。

 こうしたことからIDCは、メーカー各社がとるべき戦略は、市場を特定して製品を投入することだとする。より小規模な市場を狙い、製品の差異化を図って競争力を高める必要があると指摘している。

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