米Appleの「iPad」に代表されるようなタブレット型コンピュータは、2011年に3500万台から最大1億台の規模で販売され、従来のパソコン市場を脅かすことになる――。米国の投資情報誌Barron'sが2010年11月27日付の電子版で、複数のアナリストによる予測値を伝えた。

 米Citigroupのアナリストチームの試算によると、2011年のタブレット端末の販売台数は3500万台となり、そのうちiPadは75%に当たる2625万台が販売される。タブレット市場全体の3500万台という台数は、パソコンの販売台数を1100万台減少させ、これにより2011年におけるパソコン販売台数の前年比伸び率は従来予想の12%から9%に低下するとしている。

 一方、米投資銀行FBR Capital Marketsのアナリスト、Craig Berger氏の予測はCitigroupの試算を上回っている。同氏は2011年にiPadは4000万台、Apple以外のメーカーからは3000万台が販売されると見ている。タブレット端末が2.5台売れるごとにパソコンの販売台数が1台減少すると予測している。
 
 また台湾の電子部品、IT業界新聞DIGITIMESは、iPadの製造を請け負う台湾Hon Hai Precision Industry(FOXCONN:鴻海精密工業)が生産設備を増強しており、2011年は年間7000万台の出荷を見込んでいると報じている。2011年はApple以外のメーカーから最大3000万台のタブレットが販売されると伝えている。

 Barron'sは、消費者向けパソコンの販売が不振なのは、パソコン世界最大手の米Hewlett-Packard(HP)の業績を見れば明らかだとしている。HPが先ごろ発表した2010年8~10月の決算では、ノートパソコンの売り上げが前年同期に比べ3%減少している。また消費者向けパソコンは同10%減少している(関連記事:HPの2010年8~10月期決算、ストレージやサーバーが好調で増収増益