米IDCは米国時間2010年11月9日、低価格ミニノート(ネットブック)の世界市場に関する調査結果を発表した。米Appleの「iPad」に代表されるタブレット型コンピュータ(メディアタブレット)の普及によってネットブックが終わりを迎えると見る人も多いが、ネットブック市場は、成長速度が鈍化するものの今後も拡大する見込みだという。

 IDCによると、2010年のネットブック出荷台数は3780万台の見込みで、前年と比べ10.3%増加する。ネットブックの世界市場は今後4年間にわたり年平均成長率4.3%で拡大し、2014年の出荷台数は4240万台に達する。

 地域別では、中南米、中欧/東欧、中東/アフリカで最も需要の伸びが期待され、これら地域の年平均成長率は20%前後になる見通し。これらの地域では、各国政府の大規模な教育向上の取り組みの一環として学校でのネットブック導入を進めている。一方先進国を見ると、米国は2009~2014年の成長率が5%以下にとどまり、西欧では11%減少する見通しだ。

 ベンダー別に見た場合、台湾のAcerとASUSTeK Computer(ASUS)が引き続き優勢で、2009年に2社合わせて42.6%だった世界市場シェアは、2010年前半わずかに拡大した。米Hewlett-Packard(HP)は18カ月連続で3位の座を維持したが、2009年に4位だった米Dellは2010年前半に5位に転落し、代わりに韓国Samsungが4位に入っている。

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