ここまでは過去3年間にパソコンを購入したユーザーが、実体験に基づいて評価した満足度を紹介してきた。満足度によって各製品の現状における評価は見えてきたが、今後はどのようなパソコンが注目を浴び、販売数を伸ばしていくのか。これを占うべく、1万9713人のパソコンユーザーに対し、メーカーの認知度や今後どのメーカーの製品を購入したいかなどの項目を聞いた。

 メーカー認知度の1位は富士通とNEC。約8割が「パソコンを具体的にイメージできる」と回答。「パソコンを扱っていることを知らない」と「全く知らない」の合計は、両社とも1%を切っていた(図1)。

図1●メーカーの認知度 ベスト10
図1●メーカーの認知度 ベスト10
主要パソコンメーカーの認知度を聞いた。「パソコンを具体的にイメージできる」と「パソコンを扱っていることを知っている」の比率を加算したときの上位10社を表にした。富士通とNECが同率で1位となった。5位までは数値に大きな差は見られなかった。
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 3位のソニー以降、5位のデルまで数値は大差ない。テレビCMや雑誌の広告でよく見るメーカーは認知度が高い傾向にあるようだ。以降の順位では「パソコンを具体的にイメージできる」の比率が下がり、9~10位では約50%となった。

半数がVAIOを購入/検討

 次に、どの製品名(製品のブランド名)がユーザーに認知されているかを調べるため、メーカー15社の主要製品について「購入を検討したことがある」「製品名を聞いたことがある」などの項目から実感に近いものを選んでもらった(図2)。

図2●各製品のブランド認知度 ベスト10
図2●各製品のブランド認知度 ベスト10
各社パソコンの主要ブランドについて認知度を聞いた。回答者が具体的な製品の内容を知っているかを見るための指標として、「購入したことがある」「購入を検討したことがある」「実物を見た/使ったことがある」の比率を加算して、上位10製品を抽出した。
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 1位はソニーのVAIO。他社の多くの製品ブランドと異なるのは、ノートとデスクトップで共通の名称を使っていること。そのため、購入した/検討したといった比率がより多くなっていると考えられる。それでも、「全く知らない」という回答はわずか3%だけで、VAIOという名称が広く浸透していることは間違いない。2位以降は東芝のdynabook、NECのVALUESTAR、富士通のFMV-BIBLOと国内大手メーカーの製品が並ぶ。7位と8位にはビジネス用途を重視したThinkPadとLet’s noteが並んだ。

 直販メーカーは、製品名よりもメーカー名の認知度の方が高い傾向にある。メーカー認知度で5位に入ったデルのInspironは14位だった。Studioは20位。メーカー認知度で8位の日本ヒューレット・パッカードのPavilionは22位だった。