米IDCが現地時間2010年10月13日に発表した世界パソコン市場に関する調査結果によると、同年第3四半期(7~9月)の世界パソコン出荷台数は8968万3000台となり、前年同期に比べ11%増加した。この伸び率は事前予測値を約3%下回る。消費が低迷したことで新学期シーズンの販売が振るわなかったものの、9月に各国で法人需要の回復が続いたことから、いくらか持ち直した。
第3四半期は、米Hewlett-Packard(HP)が出荷台数で首位を維持した(表1)。シェアは17.6%。HPの米国における出荷台数は、前年同期に比べ2.7%増えたが、世界市場では同0.1%減少した。
順位 | ベンダー名 | 2010年Q3 |   | 2009年Q3 | 伸び率 | |
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  |   | 出荷台数 | シェア | 出荷台数 | シェア | |
1 | HP | 1576万6000 | 17.6% | 1579万9000 | 19.6% | -0.1% |
2 | Acer | 1164万8000 | 13.0% | 1088万5000 | 13.5% | 7.0% |
3 | Dell | 1113万6000 | 12.4% | 1015万4000 | 12.6% | 9.7% |
4 | Lenovo | 921万3000 | 10.3% | 693万1000 | 8.6% | 32.9% |
5 | ASUS | 479万3000 | 5.3% | 367万4000 | 4.5% | 30.5% |
6 | 東芝 | 465万9000 | 5.2% | 406万6000 | 5.0% | 14.6% |
  | その他 | 324万56000 | 36.2% | 292万84000 | 36.2% | 10.8% |
  | 合計 | 8968万3000 | 100.0% | 8079万3000 | 100.0% | 11.0% |
2位は台湾Acerでシェアは13%。出荷台数の伸び率は7.0%と世界市場の平均を下回った。Acerは米国や日本市場では振るわなかったが新興国市場で急伸している。3位にはシェア12.4%で米Dellが入る。同社は新興国市場の法人需要に支えられている。
市場は成長を続けており、ほぼすべての地域で伸びている。とりわけ日本市場は好調で、法人需要がけん引役となって出荷台数を押し上げた。一方で米国市場の前年同期比伸び率は3.8%にとどまり、第2四半期の伸び率11.7%を大きく下回っている。
IDCによると、過去数四半期と同様の傾向でデスクトップ機が法人需要に支えらている一方、小型ノートをはじめとするノートパソコン全般が消費者需要の低迷を受けて伸び悩んでいる。
そうした中、米Appleの市場全体に及ぼす影響が強まっている。その傾向は特に米国市場で強いという。「タブレット端末『iPad』が小型ノートの出荷台数減少の要因になっている。またiPad効果でAppleのパソコン『Mac』が伸びている」とIDCクライアント/ディスプレイ担当副社長のBob O'Donnell氏は述べる。
米国市場における出荷台数ベースで、Appleはシェア10.6%で3位に入っており、前年同期比で24.1%と高い伸び率を示している(表2)。首位は、シェア24.3%でHPが維持したが、前年同期からの伸び率は2.7%にとどまった。2位はDellでシェアは23.1%。出荷台数は同4.9%減少している。
順位 | ベンダー名 | 2010年Q3 |   | 2009年Q3 | 伸び率 | |
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  |   | 出荷台数 | シェア | 出荷台数 | シェア | |
1 | HP | 459万1000 | 24.3% | 446万9000 | 24.6% | 2.7% |
2 | Dell | 435万2000 | 23.1% | 457万8000 | 25.2% | -4.9% |
3 | Apple | 199万9000 | 10.6% | 161万1000 | 8.9% | 24.1% |
4 | Acer | 194万9000 | 10.3% | 194万6000 | 10.7% | 0.1% |
5 | 東芝 | 159万2000 | 8.4% | 142万6000 | 7.8% | 11.6% |
  | その他 | 438万7000 | 23.3% | 415万1000 | 22.8% | 5.7% |
  | 合計 | 1886万9000 | 100.0% | 1818万1000 | 100.0% | 3.8% |
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