成長性が大きなマイナスとなっただけでなく、ITサービス会社の収益力を示す売上高営業利益率も低下した。調査対象企業125社の平均は4.9%で、2008年度(対象169社)の5.9%から1.0ポイント減となった。

 ただし上位企業は、順位の変動が多少あったものの、その顔ぶれは前回調査とあまり変わっていない。トップは前回と同じオービックだ。

収益力ランキング:●1~10位
●1~10位
[画像のクリックで拡大表示]

 営業利益率は33.2%で、今回で11年連続収益力トップを維持したことになる。「OBIC7」などのソフト販売をベースに、関連するシステム開発や運用支援サービスで利益を安定的に確保している。

 新しい開発手法を導入したり、営業とエンジニアが一体で営業活動に取り組む体制を整えたりすることで、業務を効率化した。これらの方策により、営業利益を増やしている。

 このほかの上位企業の業績からは、アウトソーシングや運用サービスが比較的堅調であることが分かる。2位の東計電算は、ASPサービスを使った運用受託や、厚生年金などのデータ入力受託事業が収益力を押し上げた。プロジェクト管理の不具合で不採算案件が発生したものの、売上高営業利益率14.1%を確保し、順位を二つ上げている。

 ビック東海は、同社のデータセンターを使った大型案件を受注できたことで営業利益を増やした。ストック型ビジネスへの転換が、ITサービス会社の収益力強化につながっていることが分かる。

 11位にはフューチャーアーキテクトがつけた。売上高営業利益率を11.1%(前回は9.2%)に高め、前回の28位から順位を上げた。システム開発の外注費を抑制するなどコスト管理が奏功した。収益力が10%以上だったのは14社である。

収益力ランキング:●11~30位
●11~30位
[画像のクリックで拡大表示]
収益力ランキング:●31~70位
●31~70位
[画像のクリックで拡大表示]