ITサービス会社の生産性(従業員1人当たり経常利益)は、急激に落ち込んだ。対象企業90社の平均は141万円で、前回(178万円)から20%以上低下。ランキング上位企業を見ても、数十万円単位で生産性を落としている。
開発案件の減少に伴い、外部に開発業務を委託しないITサービス会社が増えた。売上高や営業利益が落ち込むなか、外注を減らし、従業員による内製化を進めたため、生産性を落としたようだ。
生産性で首位を獲得したのは、前回と同様、コールセンター事業を手掛けるもしもしホットラインだ。1人当たり経常利益は1039万円。生産性が1000万円を上回ったのは同社だけだ。昨夏以降、製造業を中心に受注を増やした。
トップ10を見ると、オービック(2位)、パナソニック電工インフォメーションシステムズ(3位)、野村総合研究所(4位)など常連が並ぶ。
ただし上位10社のなかで生産性を向上させているのは、2位のオービックと7位のGMOインターネットだけである。GMOは、生産性を57万円増やし、前回(24位)よりも大幅に順位を上げた。同社はWebサイト構築事業やECサイト事業に注力。これと同時に不振だった求人広告事業からの撤退や人員の配置転換により、生産性を高めた。
9位のバンクテック・ジャパンは、紙の文書をデジタル化することで金融機関などの業務を効率化する事業を得意とする。銀行や保険会社からの引き合いが増え、生産性を高めた。
兼松エレクトロニクスとサイバネットシステムが前回に続きトップ10入り。ビック東海と伊藤忠テクノソリューションズが、1人当たり経常利益で300万円以上を達成し、トップ10に食い込んだ。