2009年度に増収を達成した企業は調査対象142社中、25社だった。売上高は前年度に比べて、平均8.4%のマイナス成長である。10%以上の減収となった企業が半数を占める。

 成長性の上位10社の顔ぶれも、前回調査に比べ大きく変わった。首位は、売上高伸び率36.6%で通信サービスやデータセンター事業を手掛けるフリービットだ。08年度の売上高伸び率(33.4%)は6位で、09年度もその勢いを維持した。

成長性ランキング●1~10位
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 データセンターなどを手掛けるメディアエクスチェンジ、ホスティングサービスを提供するギガプライズを09年3月に相次ぎ連結子会社化した効果が現れた。フリービットの石田宏樹社長は「企業買収と構造改革により、高い成長性を維持できている」と話す。

 2位に入ったみずほ情報総研は金融向け事業が好調で、08年度の54位から大きく躍進した。

 3位のキヤノンITソリューションズ(前回2位)は、前回に引き続きトップ3を堅持。08年4月にビックニイウスを子会社化、09年1月にキヤノンネットワークコミュニケーションズを合併。これらの成果を出している。

 医療機関や薬局向けシステムを手掛けるメディカルシステムネットワークは6位。医薬品EDIサービス事業が安定しており、前回の40位から大きく順位を上げた。

 両毛システムズや西菱電機といった、地方のITサービス会社がトップ10入りしたことも目を引く。両毛システムズは、自治体やガス会社向け事業が好調だった。西菱電機は、防災無線やタクシー配車用通信システムを全国に拡販した成果が現れた。

 2010年度の業績予想を公表した117社のうち、95社が増収を予想。景気回復の波に乗れるかどうかで今期は明暗が分かれる。

成長性ランキング●11~30位
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成長性ランキング●31~70位
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