米Gartnerが米国時間2010年9月23日に公表した調査結果によると、企業がすべてのアプリケーションを最新状態に保つためのメンテナンス費用は、2010年に世界で約5000億ドルにのぼる見込み。2015年には1兆ドルに拡大する可能性があるという。

 過去10年間に企業はたびたびIT予算の引き締めを行い、そのしわ寄せはメンテナンス作業に大きく降りかかった。そのため、アプリケーションを万全な状態に維持するためのアップグレードなどが十分に実施できなくなった。1、2年のうちにメンテナンスを済ませればほとんど問題はないが、メンテナンスを延期すればするほど、アプリケーションの旧式化が進み、危機的状態に陥る可能性がある。

 また、アプリケーションの目録が不完全であることや、構造的な検討プロセスが整っていないことなども、リスクを高める要因になる。「目に見えにくいこの問題は、毎年大きくなり、対処が難しくなっていく」と同社フェローのAndy Kyte氏は警告する。

 企業は、既存アプリケーションの機能強化を図り、事業付加価値プロジェクトに投資を続けているが、それに応じて高い信頼性を保つためのメンテナンス費用も増加する。ITリーダーは、社内アプリケーションについて使用中の本数、使用終了した本数、運用コストといった詳細に関する年次レポートを作成するべきだと、同社アナリストは述べている。

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