米Appleのタブレット端末「iPad」は2012年までタブレット端末市場で圧倒的なシェアを維持できる――。こうした分析結果を米国の市場調査会社iSuppliが現地時間2010年8月25日にまとめた。

 同社によると、2010年の世界タブレット端末市場における、iPadの出荷台数ベースシェアは74.1%。残りの25.9%を、従来のパソコン型タブレット端末と、スレートとも呼ばれるiPad競合製品が分ける。

 iPadは、その販売開始からほぼ5カ月がたち、今後さまざまな競合製品が登場すると予想されるが、ここしばらくはiPadに強力なライバルは現れないようだ。本格的な競合製品が登場する2011年にも、iPadは70.4%のシェアを維持できるという。2012年には、競合企業がiPad同様に、製品エコシステムを築こうとアプリケーションやコンテンツの開発に力を入れる。それでもiPadのシェアは61.7%と、ほぼ3分の2を占めるとiSuppliは見ている。

 iSuppli市場調査ディレクターのRhoda Alexander氏は、「ライバルはすでに多くのリソースを注ぎ込み、Appleの支配を覆そうとしている」としたうえで、「しかし各社が自社製品を市場投入するまでにはしばらく時間がかかる。またソフトウエアやインフラ環境を整備したり、Appleが提供しているようなフルパッケージの製品に仕上げたりするには、さらに時間がかかる」と説明する。

 その根拠として同氏は、スマートフォン「iPhone」の競合製品の市場投入時期を例に挙げている。Appleが初代iPhoneを発売したのは2007年の6月。iPhoneと同程度の機能を持った製品は、その後5カ月から2年の間にかけて登場した。しかし競合企業がiPhoneとの差異化を打ち出したり、より高機能の端末を登場させたりするまでには約3年かかったとしている。

 スペックでiPadを上回る端末を開発するのは比較的短期間でできる。しかしハードウエア、ソフトウエア、OS、アプリケーションを組み合わせて魅力ある製品に作り上げるのには時間がかかる。「現在のところiPad以外に、そのような製品は市場にないようだ」と同社は結論付けている。

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