「SMB(中小企業)の90%はデータ・バックアップ・ソフトをインストール済みまたは実装中である。しかし、IT管理者のスキルが万全なバックアップ/リカバリーを実施できるまでに至っていないケースが多いようだ」。シマンテックは2010年8月19日、従業員数10人~499人のSMBを対象とした情報保護の取り組みに関する調査結果を発表した。
この調査は、28カ国・地域にわたる2152社のSMBを対象として、同社が電話でヒアリングを実施したもの。調査対象には、日本企業100社が含まれる。IT管理者のほか、経営トップ、管理職、コンサルタントが回答した。
調査の結果、多くのSMBにおいて、データ保護のためにバックアップ/リカバリー、アーカイブが重要であるとの認識が高まっていることが明らかになった。2010年に重視しているITの改善項目について、「バックアップ、リカバリー、アーカイブの強化」が非常に重要/やや重要と回答した企業は全体の69%で、災害復旧(67%)、コンピュータセキュリティ(66%)を上回った。
実際にデータ・バックアップ・ソフトを導入済み/実装中の企業は90%、システム・バックアップ・ソフトをインストール済み/実装中の企業も82%に上っている。アーカイブについても、76%の企業が導入済み/実装中であり、未導入の企業も導入に意欲的だと回答した。
一方で、バックアップとアーカイブに関して、IT管理者の技術習熟度が不足しているという問題も浮き彫りになった。「万全なバックアップとアーカイブを実現するうえでの障害要因」として、45%の企業が「スタッフに必要なスキルが欠けていること」を挙げている。同社 プロダクトマーケティング部 リージョナルプロダクトマーケティング マネージャの広瀬努氏(写真)は、「コンピュータセキュリティを実現するための障害要因にスキル不足を挙げる企業は少なかった。バックアップやアーカイブはまだ新しい技術のため、技術の習熟度に不安を抱える企業が多いようだ」と説明した。