2009年10月22日に発売されたWindows 7。パッケージには32ビット版と64ビット版の両方のDVDが入っている(写真はUltimateエディション)
2009年10月22日に発売されたWindows 7。パッケージには32ビット版と64ビット版の両方のDVDが入っている(写真はUltimateエディション)
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各OSの64ビット版と32ビット版のインストール比率。2010年6月のWindows Updateのデータを基にしている(米マイクロソフトの公式ブログより引用)
各OSの64ビット版と32ビット版のインストール比率。2010年6月のWindows Updateのデータを基にしている(米マイクロソフトの公式ブログより引用)
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 米マイクロソフトは2010年7月8日(米国時間)、全世界で利用されているWindows 7の46%が64ビット版であるとの分析結果を公表した。同社の公式ブログで明らかにしたもので、2010年6月に行われたWindows Updateのデータを基に集計した。半数近くが64ビット版であることから、「Windows 7によって、64ビット版OSが標準になりつつある」(ブランドン・レブラン氏)としている。

 同社によれば、稼働しているWindows 7の46%が64ビット版、54%が32ビット版となっている。これに対し、Windows Vistaでは89%が32ビット版で、64ビット版は11%にとどまる。Windows XPの64ビット版は、1%にも満たない。

 64ビット版の普及が加速している背景としては、第一に「メモリーの価格が下がり、パソコンメーカーが大容量のメモリーを搭載しやすくなったこと」が挙げられるという。64ビット版の最大のメリットは、使用可能なメモリー領域を増やせる点。32ビット版では、仮に4GB以上のメモリーを搭載しても約3GBの領域までしか使えないが、64ビット版なら最大192GBまで利用できる(Windows 7の場合、エディションにより異なる)。

 米国では、すべての個人向けパソコンを64ビット版に切り替えるメーカーが多く見られるといい、ブログでは「2010年4月に米国内で店頭販売されたパソコンの77%に、64ビット版のWindows 7がプリインストールされていた」という調査会社NPDのデータも紹介している。実際、国内でもソニーがほとんどの機種で64ビット版のWindows 7をプリインストールしているほか、64ビット版と32ビット版を選択できるようにしているメーカーも少なくない。

 さらに、主要なCPUのほとんどが64ビット版に対応していることや、64ビット版のWindows 7に対応したハードウエアやアプリケーションが増加していることも、64ビット版Windows 7の導入を後押ししているという。

 なお、2010年6月17日に発売されたオフィスソフトの最新版「Office 2010」にも32ビット版と64ビット版の両方が用意されている。しかし、マイクロソフトでは、Officeについては32ビット版の導入がお勧めだとしている。というのも、64ビット版でパフォーマンスの向上が見込めるのは、2GB以上のファイルを扱うような場合のみで、それ以外ではほとんど変わらない。加えて、64ビット版では、アドインのプログラムなども64ビットに対応している必要があるので、安易に64ビット版を導入すると、既存のアドインなどが動かなくなる恐れもあるためだという。