米DisplaySearchが米国時間2010年6月15日にまとめた市場動向調査によると、同年第1四半期における世界ポータブルパソコン市場の売上高は前期比1.7%増の313億ドルとなった。

 平均販売価格は、デスクトップ代替ノートのカテゴリーで下落したが、そのほかのすべてのカテゴリーで上昇した。とりわけ小型ノート(ネットブック)/タブレットのカテゴリーと超低電圧(CULV)プロセッサ搭載ノートのカテゴリーは2桁成長となった。

 米Appleのタブレット端末「iPad」は、第1四半期のネットブック/タブレット平均価格には反映されていないが、新機能や第2世代プロセッサを搭載したネットブックの新モデルが平均単価を押し上げ、売り上げ増につながった。

 超低電圧パソコンは1月のConsumer Electronics Show(CES)で発表された製品などが登場し、売り上げを押し上げた。ただしその伸び率は6%にとどまり、1年前の水準から大きく下回っている。超低電圧パソコンは企業市場に依存する傾向があり、いまだ低迷が続いているという。

 ネットブック/タブレットの出荷台数の伸び率は、ノートパソコン全体の平均を大きく上回っているが、今後はネットブックからタブレットへの移行が進みそうだとDisplaySearchは見ている。Appleは第1四半期の終わりに70万台のiPadを流通チャネルに出荷しており、これはネットブック/タブレット全体の6.5%を占めるという。

 iPadが第2四半期の最初の2カ月で200万台以上を販売していることから、第2四半期にはネットブック/タブレットカテゴリーでそのシェアがさらに伸びると予測している。また2010年の後半には他社からもタブレット端末が発売されることから、ネットブックのシェアが奪われるという。

 「ネットブックは2007年の第4四半期に登場した。そして2010年第1四半期はタブレットが誕生した。拡大解釈すればネットブック時代終焉の始まりになる可能性がある」とDisplaySearchは分析している。

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当初、タイトルに「1.7%増の311億ドル」、第1段落に「前年同期比1.7%増の311億ドル」と記述していましたが,正しくはいずれも「前期比1.7%増の313億ドル」です。お詫びして訂正します。タイトルおよび本文は修正済みです。 [2010/07/22 16:00]