米Gartnerは米国時間2010年6月11日、アジア太平洋地域におけるSaaSモデル導入に関して調査した結果を発表した。それによると、企業の75%がSaaS導入に関する投資を増やす予定だという。

 現在、同地域では企業の80%がERPやCRMなどのエンタープライズアプリケーションにSaaSモデルを採用しており、残りの20%は1年以内に導入する計画だ。最もSaaS採用が多い分野は財務(会計)関連で、以下、電子メール、販売、支出管理、顧客サービスおよびサポートと続いた。

 アジア太平洋地域でのSaaS導入はこの2年で広まったが、普及傾向は国や地域によって大きく異なる。SaaS利用が最も長いのはマレーシア、香港、シンガポールだった。オーストラリアは長期ユーザーが最も少ないが、2年以内の導入が確実に増えている。インドは80%以上が2~3年以内の導入だった。中国は、最も初期段階だと考えられていたが、約50%が4年以上前から採用していた。

 SaaS導入を決定する主な要因として、TCOの観点から社内導入型よりコスト効率が高いこと、導入の手間が社内導入型より手軽に済むことが挙げられた。しかし、人件費の安い多くの国々では、実際に社内導入型よりコスト効率が優れているのかまだ懐疑的だ。さらに、Saasの明確な定義が理解されていないため、一部のベンダーはSaaSモデルの代わりにホスト型ソフトウエアサービスを提供するものもある。

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