米Gartnerは米国時間2010年6月10日、企業のセキュリティ支出に関する調査結果を発表した。それによると支出の主目的は、これまで不正侵入の防止だったが、2010年は「複雑なIDとアクセス権の管理」が首位に浮上した。

 Gartnerが企業の最高情報責任者(CIO)を対象にアンケート調査を実施したところ、回答者の20%がセキュリティの最優先プロジェクトに「IDとアクセス権の管理」を挙げた。以下、「侵入防止システム」「パッチ管理」「データ紛失防止」「アンチウイルス」「ID管理」が続いた。

 企業の全IT予算のうちセキュリティ支出が占める割合は平均5%で、2009年の6%から減少した。これについてGartner調査ディレクターのVic Wheatman氏は「2009年は全体的な経費削減のためセキュリティ支出の比率が増加し、他の分野は大幅に予算が削られた。これに対し2010年は、景気回復の兆しが見え始めたことから、企業はセキュリティ以外の分野への予算を増額している」と説明した。

 同氏は、2011年のIT予算におけるセキュリティ支出の割合は、3~6%が妥当だと見ている。「成熟したセキュリティプログラムを持つ企業や、最近セキュリティプログラムをアップデートした企業なら、さらに効率を高めることができる」と述べている。

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