ノークリサーチは2010年6月10日、国内のPCサーバー市場に関する調査結果を発表した。2010年3月期の出荷台数は前年同期に比べ5.8%減の50万4306台、金額は同7.4%減の2606億円で、2年連続のマイナス成長となる。2011年3月期の出荷台数については52万台と増加傾向を予測している。

 同社によれば2010年3月期の出荷台数は、2009年3月から同9月までは前年同期比15.8%減だったが、2009年10月から2010年3月までは同4.1%増とプラスに転じた。文教市場の特需があったほか、大手製造業の需要が戻ったことが影響した。PCサーバーの金額は下げ止まり、むしろ上昇傾向にあるという。

 メーカーの出荷台数シェア1位はNECが保った。シェアは26.8%。出荷台数は前年同期比で6.8%減だったものの、公共分野や流通、医薬、データセンターなど幅広いチャネルで拡販したという。

 2位は日本ヒューレット・パッカード(HP。シェアは23.0%、出荷台数は前年同期比で10.4%減)、3位は前期の4位から順位を上げた富士通(同19.6%、同24.7%増)である。ノークリサーチは「上位3社のNEC、HP、富士通で7割を占める3強時代を迎えた」としている。

 4位は順位を下げたデル日本法人(同13.7%、同22.4%減)、5位は日本IBM(同8.3%、同18.2%減)、6位は日立製作所(同4.3%、同4.3%減)。

 サーバーの形態で見ると、ブレード型の出荷台数が6.8%増え、全体の13.1%まで伸びている。ラック型は全体の48.9%(前期比で2.3%減)、タワー型は38.0%(同3.4%減)である。