米国の情報システムコントロール協会(ISACA)が現地時間2010年4月7日に発表した企業のリスク管理に関する調査結果によると、米国IT専門家の45%がクラウドコンピューティングはメリットよりリスクの方が大きいと考えている。メリットの方が大きいとする回答者は17%にとどまり、38%は同等と答えた。

 1809人のIT専門家を対象に調査を実施したところ、ミッションクリティカルなITサービスにクラウドコンピューティングを利用する予定があると答えたのはわずか10%だった。重要度が低いITサービスに利用する予定の企業は15%、いずれのITサービスにも「利用する予定はない」という企業が26%にのぼった。

 経済の不確実性が残る中、多くの企業はハイリスク・ハイリターンには消極的だ。78%のIT専門家は、2010年のITプロジェクトでは2009年と同等以下のリスクに抑えなければならないと考えている。

 ITリスク管理が事業全体のリスク管理方針と非常に効果的に結びついているという企業は22%にとどまった。またITリスク管理を行う理由として最も多かったのは「法規に従うため」(28%)で、「リスク負担とリスク回避のバランスを向上して利益増加を図るため」とした企業はわずか8%だった。

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