米DisplaySearchが米国時間2010年4月5日にまとめた市場動向調査によると、2010年におけるポータブル・パソコンの出荷台数は2億1460万台となり、前年に比べ25.7%増加する見込み。米Appleの「iPad」をはじめ、各社のタブレット端末が登場し、消費者需要を喚起するという。同社はタブレット端末がネットブックのシェアを一部で奪うと見ている。

 ポータブル・パソコンの市場で最も成長が速いのは、小型ノート/ネットブック/タブレット。タブレットがこのカテゴリーをけん引する。ネットブックなどの二つ折り型のパソコンも引き続き新興国で高い伸びが見込まれる。また今年後半に企業需要が回復することも市場全体の回復に貢献するという。

 ポータブル・パソコン全体の売上高は1168億9000万ドルと2008年の水準にまで回復する見込み。出荷台数の伸びと、価格下落にいくらか歯止めがかかることがその要因としている。

 売上高の伸びが顕著なのは小型ノートとタブレットのカテゴリー。iPadなど高価格帯の製品の登場が全体の売り上げを押し上げる。小型ノートの平均価格は以前の400ドルから300ドル以下まで下落しているが、こうした低価格化が2台目、3台目のパソコンの需要、新興国における1台目パソコンの需要を後押しする。

 ただし、小型ノートの低価格化はメーカーや部品供給メーカー、小売店の利益を圧縮するため懸念材料になっている。一方でiPadのような工業デザインを重視する製品は平均価格を引き上げる。同時にAppleのコンテンツ配信の仕組みや「App Store」のようなアプリケーション販売のモデルが、メーカーや小売店、部品メーカーの業績健全化に貢献するという。

■表1 ポータブル・パソコン出荷台数推移(単位:百万台)
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カテゴリー          08年        09年        10年  09年成長率 10年成長率
                                                 (前年比) (前年比)
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小型ノート/         16.4        34.1        43.8  107.4%増    28.5%増
ネットブック/タブレット

ノートPC           129.6       136.3       170.8    5.4%増    25.0%増
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全体               146.1       170.7       214.6   16.9%増    25.7%増
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出典:DisplaySearch

[発表資料]