調査内容 主要ベンダーへの満足度(通信・ネットワークサービス)
調査時期 2009年12月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 2737件(954件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが国内の主な情報通信製品/サービス・ベンダーへの満足度を、企業情報システム担当者を対象に調査した結果、「通信・ネットワークサービス」分野で「性能・機能」について最高の満足率(算出方法は下の「■調査概要」参照)を獲得したのは、前回2009年6月調査と同じくNTT東日本/NTT西日本(NTT東西、46.8%、前回は50.3%)だった。

 「サポート・サービス」も、前回調査と同じくNTTコミュニケーションズ(NTTコム、39.0%、前回は38.1%)とNTT東西(38.9%、前回は38.2%)がほぼ同率でトップ。「価格(料金)」の満足率は前々回2009年3月調査での2位(56.9%)から前回4位(52.4%)に後退したNTT東西が、評価対象8社中唯一前回の評価を上回る52.9%で首位に立った。

 NTTドコモも性能・機能とサポートで3位を占めた結果、3評価項目のトップ3は、価格満足度で2位のイー・アクセス(イー・モバイル、アッカ・ネットワークスを含む)以外の8議席はすべてNTTグループとなった。前々回調査まで上位の常連だったKDDI(au、旧パワードコム、UQコミュニケーションズを含む)は、前回2009年6月調査に続いて、3項目で一つもトップ3に入れなかった。

NTTドコモが「性能・機能」で3位に浮上、不満足率はウィルコムが最大

 「通信・ネットワークサービス」の「価格」への満足率は(図1)、前回首位(55.2%)、前々回4位(53.3%)のソフトバンクテレコム(SBテレコム)が、前回比約9ポイント・ダウンの45.8%で5位に後退。前回NTTコム(54.4%)と0.2ポイント差の54.2%でほぼ同率2位だったイー・アクセスが今回は52.3%で2位。NTTコムは51.5%で3位となった。

図1●主な情報システム関連ベンダーの通信・ネットワークサービスへの満足度《価格》
図1●主な情報システム関連ベンダーの通信・ネットワークサービスへの満足度《価格》

 「通信・ネットワークサービス」の「性能・機能」への満足率(図2)は、トップのNTT東西、2位NTTコム(45.6%、前回は48.4%)が前回と変わらず。前々回4位(44.0%)、前回3位(45.5%)のイー・アクセスがここでは約9ポイント・ダウンの36.6%で6位に下がり、前回0.3ポイント差で4位(45.2%。前々回は42.6%で6位)のNTTドコモが、前回比約3ポイント・ダウンしながらも3位(42.4%)に入った。

図2●主な情報システム関連ベンダーの通信・ネットワークサービスへの満足度《性能・機能》
図2●主な情報システム関連ベンダーの通信・ネットワークサービスへの満足度《性能・機能》

 「サポート・サービス」の満足率(図3)は、前々回調査までのNTT東西、NTTコム、KDDIのトップ3争いから、前回KDDIが両社と約8ポイント差の5位(29.7%)に大きく後退。今回は約4ポイント・アップして33.9%に戻したが、前回3位(35.6%)から微減に踏みとどまったNTTドコモ(今回34.2%)と僅差の4位だった。

図3●主な情報システム関連ベンダーの通信・ネットワークサービスへの満足度《サポート・サービス》
図3●主な情報システム関連ベンダーの通信・ネットワークサービスへの満足度《サポート・サービス》

 通信サービス3項目の満足率の単純平均トップ5は、前回同率首位(47.0%)のNTT東西(今回46.2%)とNTTコム(今回45.3%)に約1ポイント水が開いた。3位はKDDIが41.2%(前回は40.8%で6位)。2部門で3位を占めながら価格満足度が8社中7位(43.9%)に沈んだNTTドコモは40.1%でイー・アクセス(40.0%)とほぼ同率の4位グループとなった。

 一方、通信・ネットワークサービスへの「不満足率」の3項目の単純平均では、NTTコム、イー・アクセス、SBテレコムの3社が15.7%で同率首位(不満足率最低)。前回首位(15.0%)のKDDIがやや悪化して16.6%。3項目とも不満足率が8社中最大のウィルコムが当然3項目平均でも最大の22.6%(前回20.6%)だった。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが、ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に、主要ベンダーに対する満足度を聞いた。
 前回2009年6月調査と同じく、まず「評価対象のベンダーを利用しているか」の設問を提示。そのうち「利用している」とした回答者数(有効回答数)を、そのベンダーのその評価項目についての100%とし、その評価項目に「満足」「不満足」の二者択一で回答を求めた。本文中の「満足率」は上記の有効回答数の中で「満足」とした回答者の比率、「不満足率」は「不満足」とした回答者の比率である。これに「満足」「不満足」のいずれも選ばなかった無回答(態度保留)の回答者を加えると100%となる。
 「価格」満足度は評価対象ベンダーと直接契約して利用している回答者、「性能・機能」と「サポート・サービス」満足度は評価対象ベンダーの製品・サービスを直接または間接的な形で利用している回答者にだけ、設問を提示した。
 なお、今回の調査では以下の各ベンダー(有効回答数30以上を得た会社のみ記載、順不同)も評価対象として提示したが、当該ベンダーの製品・サービスの領域を考慮して、「通信・ネットワークサービス」の満足度評価の集計対象からは除外した。
 EMCジャパン(Documentum、Avamarなどを含む。VMwareは除く)、NEC、SAPジャパン(BusinessObjectsを含む)、アドビシステムズ、アライドテレシス(コレガを含む)、ヴイエムウェア(VMware日本法人)、ウイングアークテクノロジーズ、エーピーシー・ジャパン(American Power Conversion)、エムオーテックス、オービックビジネスコンサルタント(OBC)、サイボウズ、サン・マイクロシステムズ(MySQL、StorageTekを含む)、シスコシステムズ(日本法人、 WebExを含む)、シトリックス・システムズ・ジャパン、シマンテック(ベリタスソフトウェアを含む)、セイコーエプソン、セールスフォース・ドットコム、ソニー(bit-driveを含む)、デル、トレンドマイクロ、ネオジャパン、ピー・シー・エー(PCA)、マイクロソフト、マカフィー、ヤフー(旧ソフトバンクIDCを含む)、レッドハット、レノボ・ジャパン、ワークスアプリケーションズ、東芝、日本IBM(チボリ、ラショナル、ロータス、コグノス、Informix、Red Brick、SPSSなどを含む)、日本オラクル(BEAシステムズ、ハイペリオン、シーベル、ピープルソフト、JDエドワーズなどを含む)、日本ヒューレット・パッカード(EDSジャパン、旧3Comを含む)、日立製作所、富士通(Gloviaを含む)、米Amazon.com(Amazon Web Services)、米Google(Google App Engine、Google Apps)。
 調査実施時期は2009年12月中旬、調査全体の有効回答は2737件、「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は954件。