米IDCは米国時間2010年1月28日、世界の携帯電話市場に関する調査結果を発表した。2009年第4四半期の携帯電話出荷台数は3億2530万台で、前年同期と比べ11.3%増加した。

 2009年の合計出荷台数は11億3000万台で前年を5.2%下回った。2009年は景気低迷の影響を受け、全体ではマイナス成長となったが、四半期ベースでは伸びている。IDC上級調査アナリストのRamon Llamas氏は、「2010年は景気の回復に加え、抑制されていた需要が解放されるなど、新興市場と成熟市場ともにベンダーにとって好条件がそろう」と楽観的な見通しを述べている。

 地域別では、日本を除くアジア太平洋地域(APEJ)が年間の出荷台数は2008年並みだったものの、第4四半期に急成長した。タッチスクリーン型の端末が注目を集め、スマートフォンの需要を押し上げている。

 北米は第4四半期、APEJに次ぐ成長を見せた。スマートフォンは、本体価格および通信料金の引き下げの影響で、引き続き需要が高かった。カナダでは新たな無線ネットワーク導入がきっかけとなって出荷台数が伸び、とりわけAppleの「iPhone」が人気を集めた。

 西欧は年間および第4四半期の出荷台数ともに伸びた。従来型携帯電話では韓国のLG ElectronicsとSamsungが強かったが、スマートフォン分野では米Apple、フィンランドNokia、カナダResearch In Motion(RIM)が需要をけん引した。

 中南米は第4四半期に落ち込んだものの、2ケタ減だった第3四半期に比べると改善した。

■2009年第4四半期における携帯電話メーカー上位5社の出荷台数とシェア
(単位:100万台)

ベンダー            2009年Q4              2008年Q4            増加率
               出荷台数  市場シェア   出荷台数  市場シェア

1. Nokia          126.9    39.0%         113.1    38.7%        12.2%
2. Samsung         68.8    21.1%          52.8    18.1%        30.3%
3. LG              33.9    10.4%          25.7     8.8%        31.9%
4. Sony Ericsson   14.6     4.5%          24.2     8.3%       -39.7%
5. Motorola        12.0     3.7%          19.2     6.6%       -37.5%
その他             69.1    21.2%          57.4    19.6%        20.4%
合計              325.3   100.0%         292.4   100.0%        11.3%
※OEM出荷は除く

出典:IDC
■2009年における携帯電話メーカー上位5社の出荷台数とシェア
(単位:100万台)

ベンダー             2009年                 2008年            増加率
               出荷台数  市場シェア   出荷台数  市場シェア
1. Nokia          431.8    38.3%         468.4    39.4%        -7.8%
2. Samsung        227.2    20.1%         196.6    16.5%        15.6%
3. LG             117.9    10.5%         100.8     8.5%        17.0%
4. Sony Ericsson   57.1     5.1%          96.6     8.1%       -40.9%
5. Motorola        55.2     4.9%         100.1     8.4%       -44.9%
その他            238.6    21.2%         227.6    19.1%         4.8%
合計            1,127.8   100.0%       1,190.1   100.0%        -5.2%
※OEM出荷は除く

出典:IDC

[発表資料へ]