米Gartnerは米国時間2010年1月19日、世界の企業における2010年の技術課題とIT予算に関する調査結果を発表した。それによると、企業が重視する技術の優先順位に変化が生じているという。

 41カ国にわたる27業界の企業でCIOを務める1586人を対象にアンケートを実施したところ、2010年における技術的課題として、1位に「仮想化」、2位に「クラウド・コンピューティング」、3位に「Web 2.0」が挙げられた。過去5年間トップだった「ビジネス・インテリジェンス(BI)」は5位に転落した。

 景気が回復の兆しを見せ始めるとともに、企業はコスト削減から生産性向上に焦点を移しつつある。これを実現する手段として、仮想化やクラウド・コンピューティングをベースにしたコラボレーション機能やソーシャル・メディア技術の導入が進んでいる。これに伴い、CIOはIT部門を、従来の単なる社内リソースを管理する立場から、企業の競争力向上に戦略的役割を担う立場にしたいと考えている。

 優先度の高い技術は従来の社内導入型ほどコストがかからないため、2010年のIT予算は前年と比べ1.3%の微増にとどまる見込み。IT予算は2005年~2008年に4年連続で拡大したが、2009年はそれを消し去るように前年比8.1%減少した。2010年は2005年とほぼ同様のレベルとなる。

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