まもなく登場すると期待されているタブレットPCは消費者市場で受け入れられ、2010年に数千万人が購入するようになる――。米Deloitte Touche Tohmatsuが米国時間1月18日にそのような予測を発表した。

 同社によると、ネット・タブレット(Net tablets)や、ネットタブ(netTabs)とも呼ばれる消費者向けタブレットPCは、主にメディア視聴やWebブラウジングの用途で開発されており、かつて試みられ、成功には至らなかった製品とは大きく異なる。かつてのタブレットPCは職場で使われることが多く、グラフィックス、ソフトウエア、ユーザー・インタフェースのいずれの要素も消費者を引きつけることができなかった。また携帯電話や無線LANの通信機能も十分に備わっていなかったと同社は分析している。

 一方で新たな消費者向けタブレットPCは、スマートフォンよりも動画視聴に優れており、重さや価格の点では、ノート・パソコン、ネットブック、CULVノート(低電力版CPUを搭載したノートPC)よりも優れている。大きすぎず、小さすぎずというフォーム・ファクタと機能のバランスが消費者への訴求力を持つという。

 Deloitteは、消費者向けタブレットPCが既存の携帯電話やパソコンのメーカーを脅かすことはないとみている。データを入力するにはパソコンの方が便利で、持ち歩くには携帯電話の方が適しているため、パソコンやスマートフォンからの買い換えは起きない。むしろスタンドアロン型電子書籍端末の市場が危ぶまれるのではないかと予測している。

 また携帯電話キャリアは、携帯電話の通信サービスよりも無線LANを使った利用法を想定して製品を売り込むことになるという。スマートフォンよりも高額になるため、初期購入費用を減額する販売方法が消費者に受け入れられるという。このほかスマートフォンよりも高性能の処理性能を備えるため、CPUやタッチスクリーン、フラッシュ・メモリーのメーカーに恩恵をもたらすのではないかと予測している。

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