調査内容 2009年度IT予算の前年度比増減(利用者規模別)
調査時期 2009年12月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 2737件(954件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが12月中旬にITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に行った調査で、2009年度(2009年4月~2010年3月期)のIT予算の前年度比を回答者の企業規模別(下の「■調査概要」参照)で集計したところ、大規模ユーザーは平均-17.0%、中規模ユーザーは同-24.6%、小規模ユーザーは同-19.6%だった(全回答平均は-19.6%、2月2日付け記事参照)。

 3カ月前に実施した前回2009年9月調査では、大規模ユーザーは平均-17.7%、中規模ユーザーは同-23.9%、小規模ユーザーは同-28.6%(全回答平均は-25.0%)だったので、大規模ユーザーと中規模ユーザーの平均値はこの3カ月でほとんど変わらず、小規模ユーザーの平均値だけが9ポイント上昇(予算減少率が縮小)したことになる。

2009年3月が底だった大中規模の予測に対し、小規模は6月~9月が底

 前々回2009年6月調査での、同じ2009年度IT予算の前年度比予測(全回答平均は-27.1%)は、大規模ユーザーが平均-24.9%、中規模ユーザーは同-22.8%、小規模ユーザーは同-29.9%。2009年3月調査(全回答平均は-22.9%)では大規模ユーザーが平均-27.3%、中規模ユーザーは同-29.3%、小規模ユーザーは同-17.6%だった。

図●本年度(2009年4月~2010年3月)予算総計の前年度比増減率(回答者が執行・承認権限を持つ予算の総額、就業者規模別)
図●本年度(2009年4月~2010年3月)予算総計の前年度比増減率(回答者が執行・承認権限を持つ予算の総額、就業者規模別)

 大規模ユーザーの2009年度予算増減率予測は2009年3月時点が谷底(2008年12月調査では同-15.4%)で、6月、9月と上昇した後12月はほぼ9月と横ばい。中規模ユーザーも2009年3月の谷底(2008年12月調査は平均-13.4%)から6月に上昇した後、9月、12月は6月とほぼ同水準に止まった。これに対して小規模ユーザーの年度予算増減率予測は、2009年3月に比べ6月にさらに落ち込み、9月もほぼ谷底を這ったが、12月になってようやく浮上し-20%を切って、3月時点の水準に近づいた。

2009年度予算も「前年度より減」の比率が小規模ユーザーで5割を切る

 回答の内訳を見ると、中規模ユーザーは10種の選択肢全ての比率が、前回2009年9月調査と比べ3ポイント以内の小幅な差しかない。この3カ月間で2009年度のIT予算への投資意欲にあまり変化がなかったようだ。

 大規模ユーザーもほぼ同様で、前年度より予算が減少するとした回答(「80%以上90%未満(2割以内の減少)」~「完全に削減(ゼロになった)」)の合計比率が、前回調査の55.6%から今回52.2%へとわずかに減少。前年度より予算が増加するとした回答(「前年度は予算ゼロ」~「110%超120%以内(2割以内の増加)」)の合計比率は9.8%から12.4%へとわずかに増えた。

 これに比べて小規模ユーザーは、「前年度より予算が増える」とした回答の合計比率は9.9%から13.4%で小幅な増加だが、「前年度より予算が減少する」とした回答の合計比率が前回の56.4%から今回は48.9%に減少。特に「完全に削減(ゼロになった)」が2009年3月調査の11.6%、2009年6月調査の16.2%、2009年9月調査の13.6%から、今回2009年12月調査では8.1%へと大きく減った。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが、ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者のうち、何らかの予算執行・承認権限を持つ人を対象に、執行・承認の権限を持つシステム分野の予算を聞いた。新規購入や開発中の案件がなく、年度のIT関連支出が継続運用費やリース料の支払い、減価償却費のみの場合、それらの総計額が属する範囲を選ぶよう求めた。外注の開発・運用要員の人件費は含めるが、自社内の開発・運用要員の人件費は含めない。
 本文中の「IT予算の前年度比の平均」は、選択式回答(最も近いものを一つ選択)の「完全に削減」を-100%、「前年度の50%未満にまで削減」を-75%、「50%以上80%未満にまで削減」を-35%、「80%以上90%未満」を-15%、「90%以上110%以内」を0%、「110%超120%以内」を+15%、「120%超150%以内」を+35%、「150%超200%以内」を+75%、「200%超」を+125%、「前年度の予算はゼロ」を+200%に換算して加重平均した。
 「企業(利用者)規模」は「回答者が担当・関与する情報システムを利用している就業者数(従業員、パート/アルバイト、派遣就業者を含む)」を聞き、システムの利用者数1000人以上を大規模ユーザー、300人以上1000人未満を中規模ユーザー、300人未満を小規模ユーザーとしている。
 調査実施時期は2009年12月中旬、調査全体の有効回答は2737件、「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は954件。