2009年10～12月のIT予算は前年同期比22.5％減、前四半期比で6.5ポイント回復

　日経マーケット・アクセスが企業の情報システム担当者を対象に行った2009年12月の調査で、回答者が予算執行・承認権限を持つ2009年第4四半期（10月～12月、4Q実績）のIT予算の前年同期比の増減率は平均－22.5％（平均の算出方法は下の「調査概要」参照）だった。

　第2四半期（2009年6月調査、4月～6月、2Q実績）の－33.6％を底として、前回2009年9月調査の第3四半期（7月～9月、3Q実績）の－29.1％に続き6.5ポイントの回復。2009年第1四半期（1月～3月）（2009年3月調査、1Q実績）の平均－25.7％をも上回り、2008年第4四半期（10月～12月）（2008年12月調査、2008年4Q実績）の平均－17.1％に近づいた。

「前年同期比で予算増」の回答が10％を超す

　回答の内訳を見ると、「前年同期比で（10％以上）予算が増加」側の選択肢の合計比率は10.2％。6月調査（2Q実績）の5.7％、9月調査（3Q実績）の7.3％から着実に増えて、3月調査（1Q実績）の9.4％をも上回った。「前年同期比で（10％以上）予算減」は51.4％。2Q実績、3Q実績とも57.0％を占めていたが、今回は大きく比率を下げ、1Q実績の50.9％とほぼ同水準となった。

図1●最新四半期（2009年10月～12月）IT投資予算総計の前年同期比増減率（回答者が執行・承認権限を持つ予算の総額、n=362）

　特に「完全に削減(ゼロになった)」と「前年同期の50％未満にまで削減」の2つの選択肢の合計比率が、9月調査（3Q実績）の32.8％から今回の12月調査（4Q実績）では26.8％へ6ポイント減少。「前年度のIT予算の半分以下」という大幅なカットが、9月時点のほぼ3社に1社から、12月中旬にはほぼ4社に1社へと減ったことになる。

予算額平均は前年同期比25％増

　同じ2009年12月の調査で、回答者が執行・承認権限を持つ2009年第4四半期のIT予算の規模を聞いたところ、「平均の予算額（四半期予算平均額INDEX）」（算出方法は下の「調査概要」参照）は約3323万円だった。9月調査（3Q実績）の平均約3745万円に比べると約11％少ない。

図2●最新四半期（2009年10月～12月）のIT投資予算額（回答者が予算執行・承認権限を持つ範囲の総額、n=372）

　ただし、前年度の2008年12月調査（08年4Q実績）での平均予算額は約2653万円だったので、今回の結果は前年度同期比約25％増となる。2008年9月調査（08年3Q実績）の平均予算額約3135万円に対して2009年9月調査（3Q実績）の平均約3745万円は約20％増だった。平均予算額で見てもIT投資の回復は確実に進んでいる。

■調査概要
　日経マーケット・アクセスが、ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者のうち、何らかの予算執行・承認権限を持つ人を対象に、執行・承認の権限を持つシステム予算（四半期分）の総計を聞いた。
　新規購入や開発中の案件がなく、四半期のIT関連支出が継続運用費やリース料の支払い、減価償却費のみの場合、それらの本四半期分の総計額が属する範囲を選ぶよう求めた。外注の開発・運用要員の人件費は含めるが、自社内の開発・運用要員の人件費は含めない。
　本文中の「IT予算の前年同期比の平均」は、選択式（最も近いものを1つ選ぶよう求めた）回答の「完全に削減」を－100％、「昨年同期の50％未満にまで削減」を－75％、「50％以上80％未満にまで削減」を－35％、「80％以上90％未満」を－15％、「90％以上110％以内」を0％、「110％超120％以内」を＋15％、「120％超150％以内」を＋35％、「150％超200％以内」を＋75％、「200％超」を＋125％、「昨年同期の予算はゼロ」を＋200％に換算して加重平均した。
　また「平均の予算額（四半期予算平均額INDEX）」は、選択式回答の、「予算はない（本四半期はゼロ）」を0、「100万円未満」を50万円、「100万円以上300万円未満」を200万円、「300万円以上1000万円未満」を650万円、「1000万円以上3000万円未満」を2000万円、「3000万円以上5000万円未満」を4000万円、「5000万円以上1億円未満」を7500万円、「1億円以上3億円未満」を2億円、「3億円以上」を4億円に換算して平均した。
　調査実施時期は2009年12月中旬、調査全体の有効回答は2737件、「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務（企画立案・設計・開発・運用・予算承認など）を担当している」とした実質的な有効回答は954件。