「課題解決力」があるのは、大手コンサルティング会社やシンクタンク系企業――。「日経BP IT関連企業イメージ調査」によると、IT系メディア読者などはこうしたイメージを抱いていることがわかった。

 IT企業450社の認知度を調べる「日経BP IT関連企業イメージ調査」では、各企業の製品・サービスを何らかの形で認知していると回答した人に「実績が豊富」、「課題解決力がある」、「技術力がある」など12種類のイメージに当てはまるかを尋ねている。「実績が豊富」、「先進的である」に続き、今回は「課題解決力がある」というイメージ項目の調査結果を紹介する。

 「課題解決力がある」とのイメージを抱く認知者(当該企業を「知っている」と回答した人)が多かった企業の上位20社を図1に示した。コンサルティング会社やシンクタンク部門を持つIT関連会社が名を連ねた。

図1●「課題解決力がある」ランキング
図1●「課題解決力がある」ランキング

 上位の顔ぶれは2007年や2008年の調査とほとんど変動がない。お馴染みのビッグネームが名を連ねる。ボストンコンサルティンググループ(BCG)、アクセンチュア、プライスウォーターハウスクーパース コンサルタント(PwCC)、日本IBM、野村総合研究所などである。

 そうした中、2009年5月に社名をベリングポイントから変更したPwCCは2008年の8位から3位へと順位を上げた。順位だけでなく「課題解決力がある」と回答した率も2008年の15.6%から2009年は21.7%に上昇している。

日立情報とRSAがユーザーで健闘

 ユーザー企業の情報システム部門所属者(以下、ユーザー)とベンダー企業所属者(以下、ベンダー)別の上位企業図2に示した。

図2●所属別「課題解決力がある」ランキング
有効回答数が29以下の企業は対象外とした。
図2●所属別「課題解決力がある」ランキング

 ユーザーでは日立情報システムズが5位に、NTTデータが6位に、RSAセキュリティが7位に入った。日立情報システムズとRSAセキュリティは、ユーザーでだけ20位以内に入った。いずれも2008年の45位(両社同順位)から大きく順位を上げた。

 ベンダーではアクセンチュアが2008年の5位から1位へと順位を上げた。同社を「課題解決力がある」とした人の割合も2008年の22.9%から31.2%へと増えた。

 毎年上位に入る企業がどのようなイメージを持たれているのか、1~5位の各社について「イメージの強い製品・サービス分野」を自由回答方式で尋ねた結果を比較してみた(図3)。

図3●上位5社の「強くイメージを持っている製品・分野」(上位に挙がった主な回答/自由回答方式)
図3●上位5社の「強くイメージを持っている製品・分野」(上位に挙がった主な回答/自由回答方式)

 各社に共通して多く寄せられたのは、「経営コンサルティング」や「業務コンサルティング」といった用語だった。このほかBCGには「戦略コンサル」や「M&A(合併・買収)」、アクセンチュアには「業務アプリケーション」や「アウトソーシング」、PwCCには「会計」や「監査」、日本IBMには「メインフレーム」や「ソリューション」、野村総合研究所には「経済」や「分析」といった声が目立った。いずれも各社の得意分野や注力分野を特徴的に示しているといえる。

 最終回となる次回は、この「強くイメージを持っている製品・サービス分野」として寄せられた声をより深く報告する。

※「日経BP IT関連企業イメージ調査」の概要と回答者のプロフィールはこちらを参照してください。