2009年の「日経BP IT関連企業イメージ調査」では、IT関連企業450社の認知度や情報接触度、企業イメージに加え、それぞれの企業について印象が強い製品分野を2つまで自由回答方式で尋ねている。「仮想化」や「クラウド」といった旬のキーワードが多く上がった企業を紹介する。

 IT関連企業450社について、それぞれ印象が強い製品分野を2つまで自由回答方式で尋ねた。この設問は具体的な製品分野を選択肢として提示するのではなく、回答者が思い浮かべたものを自由に記入してもらう純粋想起型である。このため回答者が強く意識しているワードが記入される。この設問の記入内容をテキストマイニングソフトで分析した結果を紹介する。

 図1は調査対象企業全450社について強い製品分野として記入された全内容を整理・カウントし、記入数が多かった順に上位20位までを示したものである。記入が最も多かったのは「業務アプリケーション」で、「パソコン」、「ネットワーク」がそれに続いた。

 それでは「業務アプリケーション」は、どの企業に対する回答だったのか。上位20社までを図2に示した。会計や人事系に強みを持つオービック、公共向けを得意とする日立情報システムズに対して「業務アプリケーション」を挙げる記入が最も多かった。

図1●強い製品分野上位20キーワード

図1●強い製品分野上位20キーワード
図2●強い製品分野で「業務アプリケーション」と記入があった企業(上位20社)
図2●強い製品分野で「業務アプリケーション」と記入があった企業(上位20社)

「仮想化」はヴイエムウェアが突出

 次に注目のキーワードである「仮想化」と「クラウド」について分析する。

 まず「仮想化」だが、ヴイエムウェアに対する記入が突出していた(図3)。2位のシトリックス・システムズ・ジャパンの3倍以上の記入があった。

図3●強い製品分野で「仮想化」と記入があった企業(3件以上)と「仮想化」上位2社で記入があった意見(5件以上)
図3●強い製品分野で「仮想化」と記入があった企業(3件以上)と「仮想化」上位2社で記入があった意見(5件以上)

 ヴイエムウェアへの全回答201件のうち、「仮想化」は実に65%を占めた。一方、シトリックスは210件の記入のうち、「仮想化」が占める割合は20%にとどまった。

 シトリックスは「シンクライアント」(13%)、「メタフレーム」(12%)など、「仮想化」以外にも強いイメージを与える製品分野があった。

 次に「クラウド」と記入された企業を見ると、セールスフォース・ドットコムが20件で最も多かった。新日鉄ソリューションズ(3件)、ソフトバンク・バンクテクノロジー(2件)、日本IBM(2件)などが、それに続いた。

 ただし、「クラウド」の記件件数は合計で49件と「仮想化」の235件と比べて格段に少ない。調査を実施した2009年6月~7月の段階では、企業名から「クラウド」というキーワードを想起するまでには至っていないようだ。

※「日経BP IT関連企業イメージ調査」の概要と回答者のプロフィールはこちらを参照してください。