日経BP社と日経BPコンサルティングは2007年から、日経コンピュータ、ITproをはじめとするIT系メディア読者などを対象に「日経BP IT関連企業イメージ調査」を実施している。3回目となる2009年の調査は日本のIT関連企業450社について、認知度（製品・サービスをどの程度知っているか）や、12種類のイメージ項目にあてはまると思うかなどを尋ねた。その結果、2009年調査で最も認知されていた企業は、2008年調査に続いてマイクロソフトだった。
「日経BP IT関連企業イメージ調査」では調査対象企業の社名を提示し、「扱っている製品・サービスの詳細を知っている」、「扱っている製品・サービスの概要を知っている」、「社名は知っている」、「全く知らない」の4段階で各企業をどの程度知っているかを尋ねた。それぞれの評価に100、66.7、33.3、0を加重して認知度スコアを算出した。2009年6月26日から7月23日に、日経BPコンサルティングのインターネット調査システム「AIDA」を通じて回答を収集した。有効回答数は1万1148だった（有職者からの回答のみを有効票とした）。
企業認知度スコア上位20位までを図１のランキング表にまとめた。同時に本調査を開始した2007年からの順位変動も示した。
2007年と2008年の調査結果も示した
2007年以降、企業認知度上位の顔ぶれに大きな変動はない。2009年調査で1位となったのは2008年と同じくマイクロソフトだった。同社は2007年調査でも2位に入っており、IT関連企業の中で安定した企業認知度の高さを誇っている。
2位以下は、昨年の5位から順位を上げたNTTドコモ、調査開始から3位をキープしているソニーが続く。上位の顔ぶれに変化はないものの、順位に目を向けると変動が見られる。2位に上昇したNTTドコモ以外では、シャープ、デルが順位を上げた。2008年10月に社名を松下電器産業から変更したパナソニックも11位から6位へと大きく浮上した。
日本IBM、富士通の2社も2008年、2009年と少しずつではあるが順位を上げている。その一方、キヤノンは昨年の2位から8位まで順位を下げた。
そのほかで注目したいのがアドビシステムズである。同社は2007年の32位だったが、2008年は27位、そして2009年は19位と着実に順位を上げている。2009年の上位20社の中では唯一、初のベスト20入りとなった。
ユーザーからの認知が高いセキュリティ関連企業
同じ企業認知度スコアの順位を回答者の属性別で見たのが図2である。IT関連製品・サービスを利用するユーザー企業の情報システム部門に所属している回答者（以下、ユーザー）の認知度と、ベンダー企業所属者（以下、ベンダー）の認知度をそれぞれ示した。
ユーザー、ベンダーのどちらも1位はマイクロソフトで変わらない。同じくそれぞれの2位もNTTドコモだった。
ただし、3位以下の順位はユーザーとベンダーで違いがみられた。セキュリティ対策大手のトレンドマイクロはユーザーでは3位だったが、ベンダーでは16位だった。同じくセキュリティ対策大手のシマンテックもユーザーの10位に対してベンダーは22位だった。逆に、デル、ソニー、日本IBMではベンダーの順位がユーザーのそれを上回った。
情報接触度もマイクロソフトが1位
該当企業の製品・サービスを何らかの形で認知していると答えた回答者には、その企業に関連する記事や広告などをどの程度見たり、聞いたりしたことがあるかを尋ねた。「よくある」、「ときどきある」、「ごくたまにある」、「ない」の4段階で情報接触度を尋ね、それぞれの評価に100、66.7、33.3、0を加重して情報接触度スコアを算出した。
情報接触度上位20社を図3に示した。企業認知度と同じくマイクロソフトが1位だった。上位10位までに入った企業のうちも8社が企業認知度ランキングでも10位以内に入っていた。KDDIは企業認知度では15位だったが、情報接触度ランキングでは10位に入った。企業認知度よりも情報接触度の評価が高かった。
企業認知度、情報接触度ともにマイクロソフトがトップという結果になった。この結果は、ユーザー、ベンダーを問わず幅広い層に同社の製品・サービスが浸透している結果と言える。
今回の調査では回答者が各企業にどのようなイメージを抱いているかも調べている。次回からその結果を紹介する。
※「日経BP IT関連企業イメージ調査」の概要と回答者のプロフィールはこちらを参照してください。
