米Gartnerは米国時間2009年11月23日,世界パソコン市場に関する調査結果を発表し,2009年の見通しを上方修正した。同社は今年9月の時点で2009年の世界パソコン出荷台数を前年比2%減と予測していたが,これを同2.8%増の2億9890万台に引き上げる。2010年にはさらに12.6%増加し3億3660万台に達するとみる。

 Gartnerは上方修正の理由として,第3四半期の出荷台数が予想を大きく上回ったためとしている。また,同社調査担当ディレクタのGeorge Shiffler氏は,「第4四半期は控えめな成長にとどまる見通しだが,2008年第4四半期が不調だったため,伸び幅は高くなる見込みだ」と説明した。

 一方,売上高をみると,平均販売価格の下落により2009年は前年比10.7%減の2170億ドルにとどまる。しかし,市場が回復基調に乗るとともに価格低下にブレーキがかかり,2010年には同2.6%増の2229億ドルへとプラス成長に転じる。

 米Microsoftの新OS「Windows 7」については,2009年のホリデー・シーズンでは限定的な影響にとどまるが,2010年のパソコン出荷台数には影響を及ぼす可能性があるとGartnerは見ている。消費者市場ではWindows 7を理由にパソコンを購入する人は少なく,カギを握るのは企業の動向だ。多くの企業はパソコンの買い換えを延期して,2010年末ごろにWindows 7搭載パソコンへ入れ替えようとするだろう。そのため2010年初頭のパソコン出荷は伸び悩むことになる。

 フォーム・ファクタ別では,ノート・パソコンは2009年の出荷台数が前年比15.4%増の1億6200万台に達する。2010年は1億9640万台に増加する。ネットブックやミニ・ノートと呼ばれる安価な小型ノート・パソコンは2009年に2900万台,2010年に4100万台と拡大する。デスクトップ・パソコンの出荷台数は2009年に9%減の1億3690万台,2010年は1億4020万台にとどまる。

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