米IDCが米国時間2009年11月9日に発表したパソコン向けマイクロプロセサの世界市場調査によると,09年第3四半期における出荷個数は前期に比べ23%増えて,四半期ベースで過去最高となった。例年の第3四半期に比べほぼ2倍の伸び。出荷金額は,前期から約14.1%伸びて74億ドルとなった。

 パソコンのフォームファクタ別にみると,ノート・パソコン向けプロセサの伸びが続いている。米Intelの「Atom」などネットブック向けのプロセサが前年同期に比べ35.7%増となった。デスクトップ向けは前年同期比11.4%増。x86サーバーのプロセサは同12.2%増だった。

 「第3四半期の出荷個数は,過去最高を記録した前年同期を若干上回っており,プロセサ市場は回復したといえる」とIDCは説明する。過去最高の出荷個数はAtomがけん引したとIDCはみている。中国で生産され,中国で販売されているネットブックが好調のためという。ただし出荷金額ベースでは,平均単価の下落が全体を7%以上押し下げる要因となった。

 第4四半期も好調なスタートを切っており,ノート・パソコンも堅調に推移していることからIDCは2009年の市場予測を上方修正した。出荷個数は3億個を超え,2008年からの伸び率は1.5%になると見込む。

 ただし2010年については不透明という。米国市場はいまだ景気低迷から脱しておらず,市場の成長は中国における低価格プロセサの需要にかかっている。しかしその中国市場に不透明な要素が多い。中国政府のインセンティブで市場は活発化しているが,余剰在庫についての情報は入手しにくい。需要に歯止めがかかる時期についての政府判断を注意して見ていく必要があるという。

 2009年第3四半期の各社の出荷個数シェアは,Intelのシェアが2.2ポイント上がって81.1%だった。米AMDが2.0ポイント下がって18.7%。台湾VIA Technologiesのシェアは0.2%だった。

 モバイル・パソコン向けではIntelのシェアが1.1ポイント増の88%。AMDが0.7ポイント減の11.9%。VIAは0.2%。デスクトップではIntelが2.0ポイント増の72.2%,AMDが1.9ポイント減の27.4%。VIAは0.3%。PCサーバー/ワークステーションでは,Intelが0.5ポイント増の90.4%,AMDが0.5ポイント減の9.6%だった。

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